149.闇
《アギレアSide》
界人たちは地下ダンジョンの最奥部へと到着した。
「ここがボスの部屋ね。ったく、随分手こずらされたわー」
界人の家に出現したというダンジョン。
そこから彼はまっすぐにこのボス部屋へとやってきたらしい。
「ボス……」
魔王の子であるアギレアは知ってる。
ボス……迷宮主はとんでもない強さを持っている。
そしてその強さは、ダンジョンの難易度に比例する。
ここ、七獄は最難関と呼ばれるダンジョンだ。
当然、出てくるボスの強さも桁外れだと容易に想像できる。
アギレアは恐れを抱く。だが……。
「あ、よいしょ」
気にせず界人は、まるで街へ出かけるような気軽さで中に入っていった。
「ちょ、ちょっと待って!」
だが待たずに中に入っていく界人。
勇者一行もその後に続く。
ここに残されても、危険なだけだ。
アギレアは渋々と彼らの後に続く。
……部屋に入った瞬間、ふっ、と視界が真っ暗になった。
(なんだ……これは……!? 声が……聞こえない……何も見えない……!)
周囲を包むのは闇。
そう、何もない真っ暗な空間がどこまでも続いてる。
アギレアが声を上げようとしても、声が出ない。
光も何もかもがない……常闇の世界。
(これが……七獄のボス部屋!? なんて……おぞましい……)
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