141.なんなのだ?(困惑)
《イージスSide》
界人の奴隷、エルフのイージスは困惑していた。
明らかに、主人である界人が異常だからだ。
先ほど、彼が牛と称して倒したモンスターは……。
ミノタウロス。
Sランクの、恐ろしいモンスターだ。
Sとはつまり最高位のこと。
ベテラン冒険者がパーティで挑んでも、倒されるほどの強さを持つ。
英雄と呼ばれる傑物で、ようやく倒せるレベルのモンスター。
それが、Sランク。
戦闘訓練を積んでいない人間が勝てる相手ではないのだ。
……だというのに。
ミノタウロスは界人にぶつかっただけで消し飛んだのである。
「お、なんだあれ? コウモリか?」
天井に一つ目の化け物がぶら下がっていた。
コウモリ? いや違う!
あれは単眼悪魔!
音速を持つSランクモンスターである。
目にもとまらぬ速さで飛翔する。
狩人の一族である、エルフですらその動きを目で追うことはできない。
「な!? はや……逃げろ!」
「え、なに?」
パシッ!
グシャア……!
……あろうことか、この人間。
目にもとまらぬ速さの単眼悪魔を、手でつかんで握りつぶしたのだ。
「…………」
これには呆然とするしかなかった。
あり得ない……。
人間が、目で追えるわけがない。
つかめるわけがない。
そして握りつぶすことなど、できるわけがない。
でも、やった。
「なん……だ。本当に……人間なのか……こいつは?」
するとフェンリルが、「くくく」と笑いながら近づいてきて、言う。
『人間ではない。神だ。正真正銘のな』
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