140.モンスターも雑魚?
庭にできたダンジョンを駆除するため、中に入っている。
トラップの場所は、何もしなくても見つけられるし、しかも効かないときている。
「楽勝だな。さすが低ランクダンジョン」
どうやらダンジョンはランクが高いほど、瘴気っつー毒ガスが発生しているらしい。
けれどどーみても、周りそれらしきガスは発生してない。
結論、低ランクダンジョンってわけだ。
ランクが低いなら出てくるモンスターも、たいしたことないだろうなぁ……。
と思っていたそのときだ。
「ブモォオオオオオオオオオオ!!!」
どすどすどす……! と足音を立てながら……。
なんか、でっかい【牛】がやってくる。
「牛か」
「いやあれは……! 気をつけるのじゃ……!」
同行者のイージスが、牛に警戒心を向けてる。
ああん、ただの牛だろ?
なにそんなびびってんだ?
「問題ないだろ牛モンスターくらいなら」
「いや! あれはミノ……」
「ブモオオオオオオオオオオオオオ!」
牛のやつが俺めがけて突進してきた……。
と思ったのだ。
ぼよよぉおお~~~~~~~~ん!
……と、なんか知らないが、俺にぶつかって、後ろへとすっ飛んでいった。
そして壁に激突して、死亡。
「俺にぶつかっただけでやられたぞ。どんだけ雑魚なんだよ」
『くくく! そうだなぁ。たかが人間くらいに、ぶつかって、弾き飛ばされてるんだ。さぞ、【軟弱】な牛なのだろうなぁ』
なー、フェリもそう思うよな?
一方でイージスが、フェリにあきれたような目を向ける。
「犬……おまえ……いいのかこれで?」
『くく……この方がおもしろかろ?』
「うーん……」
この方?
なにのほうだ?
まあいいや。
とにかく、敵は倒した。倒した?
勝手にぶつかって死んだだけだが。
「先に進むか」