124.賢い姉は発情中
現実にて。
練能力者(※逆異世界転生者)のアーニャを保護した。
どうやらアーニャはイージスの妹らしい。
「さて、準備はいいか。アーニャ」
「ああ、問題ない。服を貸してくれて、ありがとう。カイト」
ここへ来たときは素っ裸だったアーニャ。
しかし、今はシャツにスラックスという、ピシッとした格好。
アーニャは明るい顔をしている。
姉に会えるのがそんなにうれしいのだろうか。
「姉様……やっと会える……」
再会を切望しているのか、目から涙をこぼすアーニャ。
「イージスとは姉妹なんだな。どんなやつだったんだ?」
「姉様はとても賢く、理性的なお方だ」
「ほ、ほぅ……」
あれ……?
賢いとこなんてあったか?
理性的……。
「イージス姉様は、エルフ国アネモスギーヴの若き女王。父母が早逝したあとに王位を継ぎ、エルフたちをまとめた、女傑。私の尊敬する姉なのだ」
「へ、へえ……」
そ、そうだったんだ……。
あのイージスって、女王なんだなぁ。
あとなんか両親が死んでいるらしい……ってあれ?
「アーニャも死んだんだよな、向こうの世界で」
「……ああ。エルフ国アネモスギーヴは、魔族による侵略を受けてな。私は、魔族と戦い討ち死にした」
かなり……ハードな背景があったんだな。
あのエルフメイド。
ってことは、国が滅ぼされて、奴隷に墜ちたってことか……。
「カイト。本当に、私は向こうに帰れるのか?」
「おう。世界扉を使えばな」
「世界扉……」
「異世界を行き来する扉だよ」
「そんなものがどこに……?」
俺は右手を壁に向ける。
壁に光の扉が出現した。
「! これが……」
「ああ。イージスの居るとことつなげたよ」
「姉様……!」
うっうっう……とアーニャが涙を流す。
まだ会ってもいないのに、泣いている。この扉が持つ力が、本物だって信じているのだろう。
「姉様……あの優しく、賢く、カッコいい……姉様に……会えるのだな……」
「おう」
「姉様……ああ……姉様……」
両手で顔を押さえて、涙を流すアーニャ。
やれやれ……。
ま、さくっと扉を開けて、感動の再会と行きますか。
俺は世界扉を開けると……。
「あああああああああああああん♡」
ばたんっ!
……開いた扉を、一瞬で閉じた。
アーニャを見る。
うん……今の、見えて……ないな。
「姉様……ああ……やっと……会える……」
……見間違いだったかも知れない。
そ、そうだ見間違いだったかも。
ゆっくりと、扉を開ける。
「あひいいぃん♡ ああっ♡ いい! これっ! 大人のオモチャ♡ いい! ひぃいいいいいいいいいん♡」
ばたんっ!
「っすぅ~……」
……さっき俺が見た物を、説明しよう。
イージスのやつ……。
俺があげた大人のオモチャを使って、G行為なさってました……。
『どうした主よ~?』
にっまにましてるフェリさん!
ちくしょうこいつ気づいてやがるな!
『そういや性奴隷は、一定期間会わないと、性欲が爆発して、とんでもないインラン状態になるのだったな~?』
ああそうだった!
もう結構、異世界に行ってなかった!
前も、現実から異世界へ行ったときに、イージスのやつ、性欲を爆発させ、とんでもない野獣になっていたんだった!
「あの……カイト?」
アーニャのやつが、不安げに俺を見てくる。
「姉様は……? 会いたいのだが……」
ど、どどど、どうしよう……!
いや、会わせることはできるよ?
この扉あければいいんだし。
でも君のお姉さん、大人のオモチャを使って、あんあんあんってとぉっても大好き~えもん状態なんだよ!
「なんて言えるかぁあああああああああああああああああああ!」
ちくしょう!
どうすればいい!
『まーまー、主~。ほら、妹が会いたいってよぉ。賢くて、理性的な、姉上さまに~』
ああもう!
どうすりゃいいんだよ!
あの状態のイージスを、アーニャに会わせたら、なんかちょっと幻滅なんてレベルじゃないだろうし……。
「カイト? どうしたのだ? まさか……世界扉の不具合か?」
「あ、い、いやぁ~……?」
「では、なにが問題なのだ?」
あんたのお姉さんだよ、とは言えん。
「頼む……カイト……姉様に会いたい。意地悪しないでくれ」
「い、いや! 意地悪なんて……」
「頼む! 頼むカイト! 頼む!!!」
アーニャが俺の肩をつかんで揺すってくる。
必死すぎる表情。
しかもこれ、会わせないとずっと続きそう!
ああもう! わかったよ!
「何があっても驚くなよ?」
「無論だ!」
はぁ……。
ま、いっか。何があっても驚くなって、忠告したんだからな。
俺は世界扉を開ける……。
アーニャの顔が明るくなり……。
「ね」「あんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん♡」
アーニャが……固まる。
彼女が……尊敬している、姉様は。
ブリッジ×××ーしてました。
大人のオモチャを手に。
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