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122/241

122.全裸の女が倒れてるんですが?



 ある日のこと。


『主よ! 大変だ!』


 現実、ばぁさんの家にて。

 俺が目を覚ますと、でかいワンころがいた。


「どうしたよ、フェリ……朝っぱらから……」

『とにかく大変なのだ! すぐに来てくれ!』


 ただならぬ雰囲気。

 フェリが焦ることなんてほぼない。


 これは、異常事態だ。


「わかった」


 なんだ、敵か?

 今度こそ敵だろうか。


 そういや、今まで敵らしい敵がいなかったしな。

 警戒しておこう。


 そう、分断者(仮)をやっつけた(らしい)、妖刀の出番だ。

 俺はアイテムボックスにいれてあった妖刀を片手に、フェリとともに庭に行く。


 これはついに、敵が現れたのか。

 どうにも俺は、ばあさんのところでチートを手に入れて以来、戦いらしい戦いをしてこなかった。


 しかしフェリが焦るほどの事態、敵。

 それが現れて、ついに俺も、ファンタジーバトル小説よろしく、バトルが発生するのかもしれない。


 俺は平穏を望んでいる。

 それを邪魔するやつは、実力を行使させてもらおうか!


 さぁ、いったいどんな敵が現れるのだ!


『見ろ!』

「おう!」

『全裸の変態がいるぞ!』

「………………………………おう?」


 屋敷の入り口に……。

 たしかに、全裸の変な女がいた。


「な、なんだこいつ……」


 そいつは衣服を身にまとっていなかった。

 全裸でうつぶせになってる。


「……………………」

『な? 変態だろう?』

「ああ、大変な変態だ」


 いったいぜんたい、こいつは誰で、何しにここに来たんだ……?


「警察呼ぶか」

「う、うう…………はっ! ここは!?」


 女が目を覚ました。

 俺は目をそらしながら訪ねる。


「あんた、あれか? 酔っ払いか?」

「…………はぁ? 何を言ってるのだ貴様」

「いやだって、あんた全裸だし」

「………………………………………………………………は?」


 女の顔が、みるみるうちに赤くなっていく。

 そして……。


「いやぁああああああああああああああああああああああああ!」


 悲鳴を上げて、体を隠す。

 そりゃそうだ。


「なんだなんなのだ!? あたしは、どうして!?」

「あーはいはい。とりあえずこれでもかぶってろ」


 俺はアイテムボックスから、ばーさんの家にあった赤いローブを、適当に取り出して、女にかぶせる。


「!? こ、これは……覇者の外套!?」

「はしゃのがいとう?」

「異世界の超レアアイテム! ど、どうして貴様がこれを……?」

「どうしてって……家にあったやつ適当に持ってきたんだけど?」


 女は困惑しまくってるのか……。

 やがて、気を失った。め、迷惑ぅ。


「なんなんだよこいつ……全裸でやってきて、急にわめきだすし」

『鑑定でも使ったらどうだ?』


 あ、そっか。


「鑑定」


~~~~~~~~

アーニャ・プリセツキ

錬能力者

能力 音魔法


備考 先ほどまで狂化バーサク状態だったが、浄化された

~~~~~~~~~


「なんか、錬能力者みたい」


 逆異世界転生者のことらしい。

 しかもなんか、狂化って状態だったそうだ。


「なんか知らんが浄化されたみたいだけど」

『またしても何も知らない主であったな』


 まったくね。

 しかし……全裸女、アーニャをほっとくのも忍びない。


「しゃーない。保護するか」

『おいしくいただかないのか? 据え膳食わねば……あいたっ』


 現実に染まりすぎなフェンリルの鼻先を指ではじき、俺はアーニャを屋敷につれてくことにしたのだった。


 しかし狂化に浄化って。

 いったい誰が、いつ、かけて、いつ浄化されたんだか。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 自分(主人公)が浄化したんだろうな。無自覚で! [気になる点] アーニャさんは、向こうでの姉(奴隷状態)の事を知ったら、どうなるのやらw コメディでギャグの展開楽しみにしてます。
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