119.やばかったんですって!
俺、飯山界人は現実に戻ってきた。
んで、なぜか同居人なぎが、安曇野(長野県の真ん中の街)の体育館に、避難してるって聞いた。
俺はJKを世界扉で迎えに来た。
「おいっす」
「カイトさん!」
体育館には結構な避難民が集まっていた。
長野ってあんまり人が居ないと思われてるけど、割と居るんだよな。じーさんばーさんが。
そう、結構な割合老人達なのだ。
若い子らはみんな都会へ行ってしまうからな。
「あれ……?」「なんじゃ体が軽く……」「ひざが! 腰が! なおっておるぅ!?」
さて。
「帰るか」
「あ、え? い、いいんすか?」
「? なんで……?」
「いやなんでって……」
別にここに居残る必要も無いしな。
「信じられん! 寝たきりだったわしが立ち上がれるようにぃ!?」
「か、体に力がみなぎるぅううう!」
「節々の痛みが取れて、ほらっ! こんなバク転だってできる!」
なぎがやたらと後ろを振り返っていた。 俺は気にせず体育館を出ていく。
「しっかし……避難って、大げさだな。ちょいと雨降っただけなんだろ?」
なぎ曰く、大雨警報が発令されたので、周辺の人たちは、この体育館に集まったという。
だが蓋を開けてみれば、地面が濡れているくらいだったし、たいした大雨じゃなかったのだろう。
「あ、いやいや! まじでやばかったんですって! 川とかあふれかえって! 泥がすごかったんですから!」
「ほーん……じゃ、ちょっと見に行ってみるか」
俺は世界扉を使って、松本(安曇野の隣の町)へとやってきた。
街の近くを流れる、奈良井川の河川敷へとやってきたんだが……。
「ほら、なんともないじゃん」
「あ、あれぇえ~?」
穏やかに川が流れている。
そんなやばい雨が降ったら、氾濫しててもおかしくない。
「大げさだなぁ」
「いやいや! まじなんですって! 大げさじゃないですってば!」
「はいはい。帰るよ」
「もー!」
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