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112.またも名付け


 俺は異世界にストレス発散に来た。

 腹減ってる猫に飯やったら、しゃべり出したのだ!


「どうしてこうなるんだよ……」

『わたしは何か、しつれーなことをしたでしょうか?』


 不安そうに、赤毛の猫が聞いてくる。

 フェリが楽しそうに笑うと、首を振る。


『いんや、そなたは悪いことはしておらんさ』

『そうですか、良かったです……』


 ぺこ、と赤い猫が俺の前で頭を下げる。

 はぁ……こいつも神なのかよ……。


「フェリ、この子は?」

『吾輩と同じく、神獣であろうな』

『はい。わたしは、ベヒモスです』


 ベヒモス……?

 なんかドラゴンのイメージあるんだけど。


 猫なのか。

 なんで猫がベヒモスなんだ?


 異世界って現実の常識通じないな……。


『しかし見ての通り、力を失っていたのです。神気が足りず……』

「あ、そうだ。神気ってなんなの?」

『神の所有する内的な力のことです。それを使い、様々な奇跡を起こします』


 神の持つ魔力みたいなもんか。


『下界……というか、この異世界は神気がほぼないに等しいのです』

「あらそうなの?」


 フェリもまたうなずく。


『限られた場所でしか神気は補充できんな、こっちは』


 ふーん……ん?

 こっちは?


『現実は異世界よりも、神気に満ちておる。特に長野県はすごい』

「なんで長野だけ?」

『ものすごい神がいるからな』

「あー……長野神ながののかみだっけ? なんかすごい神」


 山神が流行ったと思ったら、次の神が現れたのだ。

 それが長野神。


『強い神が存在すると、その周囲には神の気が宿りやすいのだ』


 ってことは、異世界には強い神が存在しないってことだろうか……?

 現実なんかより、ファンタジー世界の方が、神とか普通にでてくるのにな。


 白い何もない空間に神が普通にいるしよ。

 まあ漫画の中の話だろうけども、


『なので、ありがとうございました、賢者様。神気を分けてくださり』

「はあ……まあ良かったね」


 別に分けるつもりは無かったんだけども。

 結果的にそうなったんだよな。まあいいか。不利益を被ったわけでもなし。


『ところで、賢者様。先ほど、フェンリル様のことを、フェリ……と呼んでおられましたね?』

「ああ。俺の相棒的ペットだからな」

『なるほど……あの、差し支えなければ、名前をいただけないでしょうか?』

「名前……?」


 なんで名前がほしいんだろうか……?

 あれか、フェリが羨ましかったのか?


 前にフェリが言っていた。

 モンスターには個体名がほぼ存在していないって。


 フェリもフェンリルだったもんな、ただの。

 ベヒモスも同様に、名前がほしいのか。自分にないもんもってたら、羨ましく見えるからな。


『どうする主よ?』

「別に良いよ、名前くらい」

『くっくっく……そうかそうか』


 まーたフェリのやつが、含み笑いしてやがる。

 どーにもこのワンコなにか、隠してるような気がするんだよな、いろいろ。


「なんか隠してない?」

『ないない』

「ふーん……ま、いいや。ええと……そうだな……」


 赤い猫……。

 くれない……。


「君、性別は?」

『雄です』


 じゃあ雄々しい名前がいいか。

 そうだな……こないだ漫画で見た……。


「タイクーンとかどうだ?」


 その瞬間だ。

 かっ……! とベヒモスが、輝きだしたのだ!


「え、ええ!? なんで!?」

『こ、これは……! 存在が進化しております!』


 存在が進化……。

 あ、ああ……。


 あああああ!

 思い出したぞ!


『思い出したか? ん?』

「そうじゃん! 名前付けたらおまえ、進化したじゃん!」


 もう随分と前だが、このフェンリルに名前を付けた後、存在進化して女になれるようになったじゃないか!

 なんか力を分けるとかなんとかで。


『そのとおり。おお、力を失っていたベヒモスが、本来の姿になったようだな』


 なんか馬鹿でかい、赤い毛の獣に進化していた!

 これが本来のベヒモスの姿なのか……。


『感謝いたします、賢者殿!』

「はぁ……ま、いいか……」


 別にベヒモスがでっかくなった以上に、実害はないしな。


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