111.二度あることは三度ある
俺は鳥の群れを撃破した。
しかし近くの村に被害を出してしまった!
慌てて俺は治癒と修復の魔法を使って、村を完璧になおし、その場を後にしたのだった。
「はー……あっぶなかった」
森の中で、俺はフェリと一緒にご飯を食べている。
レトルトのカレーと、カレー麺だ。
フェリははぐはぐとカレーを食ってる。
アイテムボックスに適当に入れていたものを、湯煎して出したのだ。
ご飯もレトルト。
「まさか魔法の影響で、人様に迷惑かけちまうなんて」
『いや、はぐはぐ……あの村は主が別に……ほふほふ……壊したわけじゃないぞ?』
「え、まじ?」
『ごっくん……うむ。どうやら主の言うところの、鳥が悪さしたのだ』
あ、なんだそうだったのか……。
なーんだ……俺がやったんじゃなかったわけか。ふぅ……。
まあね、魔法で回復したとはいえよ、人さまの家を壊したってのは、気が引けていたからな。俺のせいじゃなくて、正直ほっとしてる面がある。
……って。
ん?
「あれ、鳥なの? 村燃えてなかった?」
俺の放った炎の魔法が、てっきり村を燃やしちゃったのかと思っていたんだが。
『うむ。鳥のせいだ』
「まじかよ……異世界の鳥やばすぎだろ……」
火まで放つんかい。
こわー……。
「でも……異世界はいいよな」
『どうしたんだ藪から棒に? カレー麺食わないのか?』
物欲しそうにしていたが、俺の分なので渡さない。
「こっちならさ、なにやっても目立たないだろう」
『……ほぅ?』
「だって、魔法があって当たり前の世界なんだ。現実と違ってね。だから魔法を使っても、神の奇跡だ! とはならんだろう?」
フェリが珍妙な物を見る目を、俺に向けてくる。
なんだその目は?
『主はひょっとして……ギャグで言ってるのか?』
「? いいや大真面目だけど」
『そうか……む?』
そのとき、フェリがある一点を見つめていた。
「どうした?」
『血のにおいがする』
「またトラブルかよ……」
現実でも異世界でも、どうして俺の周りはトラブルが多いんだろうか……。
まあでも、ほっとくのも寝覚めが悪いので、ラーメン片手に様子を見に行く。
「きゅー……」
「子猫……?」
ボロボロの子猫がうずくまっている。
怪我をしているようだ。
なんともむごい。
『主よ、その小動物を助けるのか?』
「ああ。猫に罪はないからな」
俺はすぐさま治癒魔法をかけてあげる。
怪我は治ったようで、みーみーと嬉しそうにないていた。
だが腹を空かせているのか、俺のカレー麺をじっとみつめている。
『くくく……そうか。ところで主よ、天丼を知ってるか?』
またそれか。
「知ってるよ。それが?」
『以前猫を助けて、神だった展開があったろう?』
ああ、またこの猫が神みたいな、そういう落ちだと思ってるんだろう?
「あのねフェリ君、ここは異世界。なんで現実の神がここにいるんだよ?」
『まあそうだな。で?』
「ほら、カレー麺なんて食わず、これを食いな」
俺はアイテムボックスから、猫缶を取り出す。
『なぜそんなものが?』
「前に動物でも飼おうかなってときに、買っておいたんだ」
まあもう動物を飼う気失せたけどな。
主に、神々のせいで。
俺は缶をあけて、子猫に出してあげる。
すると猫は美味しそうにペロペロ食べ出した。
そして……。
『助かった、人の子よ』
……………………俺は、天を仰いだ。
フェリが呵々大笑していた。
『ふははは! どうやら主は、神によっぽど好かれてるようだなぁ!』
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