109.異世界で、大群の鳥を倒した?
俺、飯山界人は、世界扉をとおって、異世界にいた。
「あー……異世界いい、最高ですわ~」
空をかけるフェリにまたがっている。
眼下には中世ヨーロッパ風の、のどかな田舎道が広がっていた。
『吾輩からすれば、長野もここも同じように見えるがな』
おい長野県さんのこと、中世ヨーロッパっていうのやめろよ。
確かにほぼ何も無いけどさ、あそこ。
「向こうだとうるさいだろ? 神だの殺し屋だの。一方で、こっちは何も無い」
『勇者は?』
「……それもありましたねえ」
まあ少なくとも、俺の周りをうろちょろしていないからな。
現実より幾分かましだ。
『して、主よ。今回は何を目的に異世界に来たのだ?』
「ストレス発散を少々」
『ほぅ? ストレス?』
「ああ。最近なんか、色々ダルいことが続くだろー」
主に神とか、殺し屋とか、公安とか。
まあ後者ふたつは、最近ちょっとうざくなくなったけども。
「だからまあ、ストレス発散に、大魔法をこう、どばーって」
『現実ではやらんのか?』
「やるわけないでしょ? 現実で大魔法なんて使ったら、余計目立つ」
フェリがなんか『ひょっとしてギャグか?』とか言ってる。
なんなの?
「んで、今は適当にモンスターの群れを探してるってわけだ」
『ほぅ。む? 都合のいいことに、【群れ】がいるぞ』
お?
本当だ……!
「なんだあれ、鳥?」
なんか、大量の、翼の生えたモンスターがいる。
白い羽に、ちょっと人間っぽいフォルムをしている。
ただ人間ではないのは確かだ。
マネキンみたいに無機質なのだ。
『む……あれは……』
「鳥モンスターだろ?」
『いや……モンスターでは……』
俺はフェリの上に立って、右手を前に突き出す。
「そーいや、なんか魔法使うの久しぶりだな。よし、盛大にぶっ放してみるか!」
現実と違って、こっちだと魔法が当たり前だからな。
攻撃魔法使っても、驚かれない。
「煉獄……」
『あ、主よ。煉獄業火球は、極大魔法はやめておけ』
「え? なんで?」
『なんででもだ』
ふぅん?
まあいいや。
「じゃ、【火炎連弾】」
中級火属性魔法、火炎連弾を使用。
俺の右手に……。
「お? おお?」
巨大な炎の玉が出現した。
あれ……でかっくね?
いや、中級魔法ってそういや使ったことないし、こんなもんか……?
「まあいいや、いけ」
火炎連弾は、無数の火の弾丸を射出する魔法だ。
炎の玉から……。
ドパァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!
無数の弾丸が、いっせいに鳥(仮)へむかって飛んでいく。
その様はまるで嵐の時の津波のごとく。
炎の弾丸の波が、いっきに鳥を飲み込んでいく様は壮観だった。
そして、あとには何も残らなかった。
「くぅ~……きもちいい! やっぱ魔法はいいなぁ」
『そ、そうだな……しかし主よ。まさか、【あれ】まで倒してしまうとは……』
あれ?
鳥だろ?
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