104.ここは温泉宿じゃねえから!
……俺、飯山界人は困っている。
ひっじょーに困ってる。
何にって?
『いやぁ、界人ちゃんのお風呂は最高だね~』
『まったくじゃぁあ……』
『生き返るのぅ』
現実の、俺んちの庭にて。
神たちが、俺の家の風呂に入ってきてるのだ!
しかも……!
「なんでおまえら、全員人間の姿してんだよ! しかも女だし!」
色とりどりの髪の毛、動物的なアイコン(猫耳とか犬耳とか)はあれど、どいつもこいつも若い女! 女! 女!
『界人ちゃんのおかげじゃよう』
『ここの神気は心地よくてなあ』
『わしらに快楽と力をあたえてくれるんじゃあ……』
ほわー……と女神どもがうっとりした顔で言う。
「神って全員女なのか?」
『吾輩に聞かれても、知らん』
フェリは犬の姿のママ風呂に浸かっている。
露天風呂ができてから、フェリだけじゃなくて、神どもは毎日のように訪れてくるのだ。
「マジで来んなよおまえら……暇なの?」
『『『暇なの』』』
「ああそうですかチクショウ……」
暇つぶしに温泉旅行ですか?
ったく……。
『界人ちゃんのお風呂は心地よすぎてやばいのう』
『もうわしらこの風呂がないと生きていけんわい』
『まったくじゃあ』
……神って生きてるんだろうか。
そもそも倒せるもんなのか?
力尽くで追い出そうにも、勝てるかわからねえし、そもそも倒したらなんか影響が怖い。
しかたなく、俺はこいつらを放置するしかない。
『今日もいい湯だった』
『ありがとうね界人ちゃん』
『これはお礼』
といって、神の連中は、手を差し伸べる。
そっから、じゃらじゃらと砂金を出していく。
地面には結構なデカめの金が山のように積まれていく。
「あのさ……まじで要らないから」
『『『ばいびー!』』』
「聞けよ神ども……! はぁ……」
神ご一行は去っていった。
……って思ったら。
『『『界人ちゃーん! お風呂入りに来たのじゃー』』』
「ああああああ俺の田舎でスローライフがぁあああああ!」
神のせいで、最近は全然スローライフできてません!
責任者に問いただしたい!
誰のせいなのだこれは!!!
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