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【Web版】異世界行ったら長野の神になりました  作者: 茨木野
第3章

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102/243

102.神は火山の噴火を止めたそうです


 界人かいとが神達と戯れる、一方その頃。

 東京、警察庁。


 公安の刑事、贄川にえかわ無一郎むいちろうは、デスクで自分の昼食を作っているところだった。


 カップ麺にお湯を注ぎ、3分経過。

 さてこれから食べる……まさにそのとき。


 PRRRRRR♪


「はぁ……」


 今から昼ご飯。

 しかし電話の相手は、見晴者レイカー


 公安の目であり、見張り役からの連絡。

 何か緊急事態である可能性が高い。


「どうした、見晴者レイカー?」

変身者トランスフォーマー、昼時にすまなかったね』


 電話の相手……見晴者レイカーがそう言う。

 女の声だ。


 見晴者レイカーとは付き合いが長い。

 お互いの素性をよく知ってる。


「君も今お昼休みだろう?」

『ああ、今職員室でラーメン食べてる』


 見晴者レイカーもまた公安の刑事だ。

 彼らは社会に溶け込み、一般人として生活している。


 見晴者レイカーは高校で教員をやっている……と聞いたことがあった。

 なんだ……と無一郎むいちろうが安堵の息をつく。


「なんだ、たいした用事じゃないみたいだな」


 向こうも昼食を食べようとしていた。

 それくらいの余裕がある案件、ということだ。


 無一郎むいちろうはスマホをハンズフリーにして、カップ麺を食べる。

 一口すすって尋ねる。



「じゃあ……もぐもぐ……なんで電話したんだ?」

『日本が滅ぶ』


 …………。

 …………………………。

 ……………………………………はい?


「なんだって?」

『日本が滅ぶ。火山の大噴火で』

「ぶっ……! な、なんだって!?」


 無一郎むいちろうが勢いよく立ち上がる。

 カップ麺の中身がデスクにぶちまけられてしまう。


 無一郎むいちろうは汁のかかったスマホを手に取って尋ねる。


「もしもし!? 日本が滅ぶって、どういうことだ見晴者レイカー!?」


 しーん……。


見晴者レイカー!? おい!」


 PRRRRRRR♪


 今度はデスクの電話が鳴った。

 無一郎むいちろうは慌てて電話に出る。


「おい見晴者レイカー! なんで電話を切った!?」

『いや電話切ったのはおまえだろう?』

「は……?」


 無一郎むいちろうはそのときはじめて、自分のスマホが切れてることに気づいた。


 ……どうやらカップ麺をこぼしたときに、電話が壊れてしまったらしい。


『よっぽど慌ててるみたいだね』


 と、のんきな調子で言う見晴者レイカー

 向こうでラーメンをすする音がした。


 日本滅亡の危機に、メシ食ってるだと?

 それがムカついた。


「おい! 日本が滅ぶって時になにのんきにラーメンなんか食ってるんだ!?」

『まあ落ち着け。日本は滅びないよ。正確には……滅びが回避された、だ』


 ……意味が、わからなすぎた。

 無一郎むいちろうは席について、あたまをガリガリとかきながら言う。


「……状況を説明してくれ」

『ああ。予知者ノストラを知ってるだろ?』

予知者ノストラ……。ああ、未来を予知する能力者のことか」


 この世界には、超常の力を持ったやからが存在する。

 彼らは、異世界からこちらに転生してきた、逆異世界転生者。


 公安は彼らを、練能力者れんのうりょくしゃと呼ぶ。


予知者ノストラは未来に起きる天変地異を予測する能力者だ。公安で保護されているね』

「ああ。未来を予知できる力なんて、悪用されやすいからな」


 事実、予知者ノストラはその力を使って霊感商法的なことをやっていた。

 公安は予知者ノストラを逮捕し、公安のタメに働かせることで、ある程度の自由を保障してる。


予知者ノストラが、未来を予知したんだ。長野県の東信とうしん地方で、火山の大噴火が起きるって』

「長野県……? 噴火だって……まさか……」


 確かに過去、長野県の浅間山で噴火があった記録はあった。


「しかし……日本が滅ぶだって?」

『ああ。史上例を見ない大噴火だったそうだ。日本の中心部は壊滅、数え切れない死者がでて、被害は東京にまで及んだそうだ』


 ……背筋が凍る。

 予知者ノストラは、強力な能力者だ。


 やつの予知は当たる。

 捕まえたのが無一郎むいちろうだからこそ、やつのすごさがわかるのだ。


 つまり……。


「……本当に、滅亡する定めだったのか」

『ああ。その運命を変えたのだよ』

「変えた……?」

 

 ……それだけで、理解した。

 日本が滅ぶほどの、大噴火。


 それを起こる前に防ぐ。

 そんな、奇跡としか言いようがない御業が、できるのなんて……この世に2人、いや、1人しかいない。


「……界人君、なのか?」

『ああ』


 ……呆然と、つぶやく。

 いやたしかに、彼にできるかも知れない……だが、だが、だ。


「ど、どうやって……?」

『さあね』

「さあねって……君……」


 見晴者レイカーは食事を取り終えたのか、一息ついて言う。


『わかっているのは、日本が大噴火によって滅ぶところだったこと。その予知を覆したのが飯山いいやま界人かいとだってこと』

「……界人君が、救ったってどうやってわかったんだ?」


 予知者ノストラはあくまで、災害を予知しただけだ。


『確証はないよ。ただ、他にできる人が居ないってだけだ』

「そんな……まあ……そうだけど……」


 まるで科学的じゃない。

 火山の噴火をとめる?


 人間にできる所業を遥かに超えている。

 練能力者れんのうりょくしゃだったとしても、無理だ。


 彼がどうやってとめたのか。

 なぜ、そんなことをしたのか。


 まるで……理解できない。

 わかろうとしても、訳がわからなすぎた……。


『理解するのは無理だろーよ。ま、ラッキーって思っておこうじゃあないか』

「ラッキーっておまえなぁ……」


 まあ幸運だけども。

 超がいくつついてもいいほどの、幸運だけども。


「……火山とめるとか、やばすぎでしょ、界人君。神じゃん、マジのやつの」


 疲れ切った表情の無一郎むいちろう

 彼の担当は、何を隠そう無一郎むいちろうなのだ。


 補助に見晴者レイカー


『疲れてるところ申し訳ないけどね、もう一つ、厄介ごとが起きてるよ』

「まだあるのかよぉ~……」


 はぁ……と無一郎むいちろうはため息をつく。


『テレビをつけな。あるぴこテレビだ』

「あるぴこテレビ……?」


 全国ネットの放送局だ。

 無一郎むいちろうはテレビをつける。


 そこにはニュースキャスターが映っていた。

 えらく美人で……だからこそ、気づいた。


記者データマンじゃないか……」


 公安がマークしてる、練能力者れんのうりょくしゃのひとりだ。


『そう、記者データマン。本名、あがた 清美。最近、この、あるぴこテレビの局アナになった』


 それは知ってる。

 公安がマークしてるからだ。


 殺し屋から手を引いたことも知っている。

 最近になって殺し屋から、なぜだか知らないが局アナに転職したようだが……。

 公安としては、直ぐにでも捕まえたい相手。

 しかしやつには、【厄介な能力】がある。


 それがあるせいで、捕まえたくても、できないのだ。



 さて。


【皆様、ごきげんよう。ニュースのお時間です】


 テレビの中で記者データマン……あがた清美が、にこやかに言う。


【速報をお伝えします。長野神ながののかみ様が、日本を滅亡の未来からお救いになられました】

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『【連載版】追放聖女はキャンピングカーで気ままに異世界を旅する』

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