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101.天どぅーん


 ……あくる日。


『『『しつれいしまーす』』』


「来るんじゃねえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」


 ……状況を説明しよう。

 庭には……大量の動物たちがいた。


 猫、亀以外の動物もいる。

 鹿、犬、いのしし……等々。


「ここは動物園じゃありません……!」

『わかってますよ~』


 黒い亀の神、黒亀こっきがケラケラと愉快そうに笑いながら言う。


 どこが愉快じゃ!

 俺は不愉快だわ……!


 俺は動物たちを指さす。


「なんだよあのわくわく動物ランドは!?」

『この地に住まう神々ですよ?』

「神々! ああくそ! やっぱりか……!」


 なんかね、いやーな流れを感じていたよ!

 猫、亀って神が続けざまにきたから……。


『主よ、天丼だな』


 フェンリルのフェリが、ニヤニヤ笑いながら言う。

 ああくそ、ほんとだよ!


「なんで三度目は大量に来るんだよ! 前回、前々回って1匹ずつきたじゃあねえか!」

『いやぁ、ナンデデショウネー』


 黒亀が気まずそうに目をそらす。


『黒亀の言うとおり、なんと清らかな土地よ!』

『黒亀の言うとおり、露天風呂があるじゃあないか』

『黒亀の言うとおり、あの青年から発する神気しんきは心地よいのー』


 俺は黒い亀を持ち上げる。


「おまえのせいじゃあないかよ!」


 しゅるっ、と黒亀が手足、そして頭を甲羅の中に引っ込める!

 くそがっ!


 その間にも神(動物)たちが、ぞろぞろと温泉に入っていく。


『はー……生き返るぅ』

『こんな見事な湯は初めてじゃー』

『まさか信濃にこんな穴場があるとはのぅ』


 神のじーさん(たぶん)たちが心地よさそうな顔でつぶやく。

 ああ……俺の温泉が……。


「毛皮についた虫とか落としてから入ってくれよ……」

『大丈夫ですよ、僕ら神に虫などつきませんから』


 黒亀がえっへんと顔を上げて言う。

 たしかにただの動物に見えるが、全員神なんだよなぁ。しゃべるし。


『かりに虫がついてたとしても、大丈夫ですよ。この温泉、浄化されるんで』

「は? ちょっと待て、浄化?」


 ええ、と黒亀がうなずく。


界人かいとくんの放つ神気しんきには、癒やしと浄化の力が込められております。なので、このお湯には一切の不浄なものが入っていないのですよ?』


 えー……っと。

 つまり?


「俺のだし汁には、消毒効果があると?」

『まあざっくり言えば』


 なんてことだ……俺、マイナスイオン発生装置どころか、消毒液になっていたとは……。


『本当に心地よい温泉じゃ』

『毎日でも入りたいのぅ』

『今後は出雲より信濃で集まるとしようかの』

『『『賛成!』』』

「反対……!!!!」


 何勝手に決めてるんだこのアニマルズは!!!!!


「帰れよおまえら!」

『『『…………』』』


 ぴくっ、と神達が一斉に、東の空を見上げる。

 え、な、なに……?


「お、おい黒亀……どうした?」

『……大地の怒りが、収まった?』

「はぁ……? 大地の怒り……?」


 何を急に言ってるんだ?

 東に、何があるってんだ?


 神達は顔をつきあわせていう。


『おぬしか?』

『いいや、わしはなにも』

『では、大地の怒りを鎮めたのは……』


 ちら、と神が俺を見上げる。


 怒り?

 鎮める……?


『彼じゃろ』

『なんと』

『見事なり』


 わー、とアニマルズが拍手する。

 え、なになに、何がどうなったの……?


『まさか大地の怒りを静めるとはのぅ』

『新米の神は、なかなかに強い力を持っているようじゃ』

「なんなんだよさっきから! さっぱりだよ!」


 ざばァ……と動物たちが風呂から上がる。


『ではな、界人かいとちゃん』『界人かいとちゃん、またくるぞい』『ばいばい界人ちゃーん』


 そういって、神々のやつらは去っていった。

 まじでなに……?


 すると黒亀が俺に言う。


界人かいとくん。ニュースはちゃんと見た方がいいですよ』

「はぁ……? ニュース?」

『ええ、特に東信とうしん地方で、大変なことが起きるとこだったんですから』


 東信とは、長野県の東側地区の俗称だ。


「え、なんだよ大変なことって……?」

浅間山あさまやまが……おっと、これ以上はちょっと』


 え、なに?

 浅間山って……たしか東信にある山のことだよな。

 軽井沢とかの近くにあった。


「山がどうしたんだよ?」

『ぐっばい界人かいと君』


 しゅんしゅんしゅん、と黒亀が回転しながら空を飛び、消えてしまった。


「なんだったんだ……最近で一番、意味不明だったぞ……」


 フェリがのんきに湯船につかりながら、カカカと笑う。


『またも長野神ながのかみは、世界を救ったの~』

「おまえ……何に気づいたんだ?」

『さぁ~……? くくく……』


 ……よくわからんが、俺はまたなにかやっちまったようだ。

 何があったのか……わからん。


 が……もういいや……。


「疲れたよ俺は……」


 もう神が入ってこれないように、結界張っとくか。

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[気になる点] 入れない結界……天岩戸の再来かなぁ 神様たちの反応楽しみです(笑)
[良い点] 神のマイナスイオン発生装置w 消毒液w 万能薬w 癒やしスポットw パワースポットw [気になる点] 神が皆女性だったりしてw
[一言] まさかカイト君が火山(浅間山)の噴火を沈めたのでは?
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