41話 実地訓練前半戦(7)
短めです。。。
蒼は早々に寝床に潜り込んだものの、どうしても今後のことを考えてしまいなかなか寝付けなかった。
あまり眠れないまま朝を迎え、軽く身支度を済ませて天幕を出る。まだ日は昇っておらず辺りは薄暗いが、既に蒼以外の二人は起きていたようだ。ヴェンツェルは既に朝の定例に向かった後だったが、ハルトマンは昨日と同じ場所に座っていた。
ハルトマンは蒼を見つけると手招きをする。あまり気は進まないが、呼ばれた以上は仕方がないので昨日と同じ場所へ腰を下ろす。蒼が座ったのを見計らってカップを渡してきた。何もかもが昨日と同じ。
「辞める決心はついたか」
前置きもなく、単刀直入に言われる。
蒼は一晩中悩んだ結果出した答えを口にする。
「……やはり、気持ちは変わらない。辞めるつもりもない。仮にこの先、騎士に向いていないと思うことがあっても、実地訓練に出ると決めた以上、それだけは全うする」
日が昇り、辺りが明るくなる。暗がりで見えにくかったハルトマンの険しい表情がはっきり見えた。しばらく見つめ合ったままでいると、根負けしたのかハルトマンがため息をつきながら顔を逸らした。
「お前の好きにすればいい。私は善意で言ったにすぎない。やると決めた以上はきっちりこなしてもらう。昨日のように動けず周りに迷惑をかけるのなら即刻辞めろ」
「ああ」
話に一区切り付いたところで、タイミングを見計らったかのようにヴェンツェルが戻ってくる。
「仲良く2人で朝食とは珍しい。今朝の定例の報告をするので、いちゃつくのを止めて集まるように」
不本意なことを言われ、二人はすぐさま立ち上がり距離を空ける。その日は変に意識してしまい、いつもよりさらに距離を空けてしまった。
この日以降、魔物の群れに度々遭遇したが、蒼はひるむこと無く立ち向かうことができるようになった。
そんな日々を続けること1週間。この魔獣討伐作戦を実施することとなった元凶の魔物が討伐されたと一報が入り、実地訓練前半戦の終わりが告げられた。




