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25話 魔法訓練基礎編

「本日は実技訓練を行います」


 いよいよ今日からは、屋外の訓練場にて実技の訓練が行われる。

 簡単な身体強化の魔法は使っていたし、第4師団でもヴァイデンライヒの家でも座学は学んできたが、表に出すような魔法を扱うのは初めてなので蒼の胸に期待が膨らむ。

 

「まずは魔力の扱う上で、初歩的な所から始めます。自分の中にある魔力を集め、手のひらにとどめる練習です」

 

 ラウラは手のひらを上に向け胸の辺りで留める。その手のひら上に黄色い霧のようなものが浮かび始めた。


「これが具現化していない魔力です。私は《雷》属性なので黄色の靄が出ます」

 

 数十秒ほど手のひらにとどめた後、黄色い霧はすうっと消えていった。

 

「このように一度出した魔力を再び身体に戻すことが出来ます。一度身体から離れた魔力は大気中に離散してしまうので、すべてを戻すことは不可能ですが、3割程度は戻すことが可能です。魔力量が少ないものほど、この練習は大事なので真剣に取り組むように。ここまでが本日の目標です。では、始め」

 

 各々手のひらを見ながら実践し始める。手のひらに魔力を出すことに成功しているものもちらほらいるが、直ぐに霧散してしまっている。安定して留める事は難しいようだ。

 

 蒼の友人であるジークとヴェンツェルに至っては、流石と言うべきか1回で成功していた。周りを見渡していた蒼も自身の手のひらに集中し魔力を込めてみる。


 バキン


「え」

 

「アオイ!?」

 

 魔力を込めた瞬間、蒼の目の前に氷の柱が生えてきた。

 呆然とする蒼のもとに慌ててジークが駆け寄ってくる。

 

「アオイちゃん、急に魔力を込めすぎだよ」


「そんなつもりはなかったんだが……」


「もう一度やってみよう。今度はもっと細く少しずつ手のひらに魔力を集めるイメージで」

 

 その後、ジークの助言を受けつつ何度か挑戦してみたものの、氷の柱が増えていくだけだった。最初と比べれば氷の柱は徐々に小さくなってはいたが。


「今日は少し暑いと思っていたから、私としては涼しくてちょうどいいよ」


 ヴェンツェルはフォローと言えなくもない言葉を投げ掛けてくる。

 ここまで何事もそつなくこなしてきた蒼としては、この結果にいささかショックを受けていた。

 


 氷の柱が10に届きそうになった頃、ラウラが笑顔で近寄ってきた。


「養子と言えど流石はヴァイデンライヒ家の娘ですね。瞳の色から魔力量が多い事はわかっていましたが、これほどまでとは。気にしなくていいですよ。貴女のお義父様もお義兄様も同じようなものですので」


 それは気にするべきなのではと蒼は思う。


「何度やってもうまくいかず……」


「落ち込まなくて良いですよ。むしろこれだけの氷柱を立てれる魔力量は誇っていいです。ただ、このまま氷柱だけ出し続けるわけにもいかないので、貴女は特別訓練を受けて貰いましょう。明日は訓練がない予定ですが、こちらに来て貰えますか」


「わかりました」

 

 蒼の補習が確定してしまったらしい。楽しみにしていた魔法の実技なのにうまくいかず、落ち込んでしまう。

 帰り際にジークが励ましてくれるがそれすらも頭に入ってこず、落ち込んだまま帰路についた。

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