米原万里『米原万里ベストエッセイⅠ』/恒川光太郎『夜市』
ぜひあなたのベストワンの本をお教えください。
今回は自己紹介を兼ねて米原万里さんの『米原万里ベストエッセイ』と恒川光太郎さんの『夜市』の感想を書いてみました。最後までお付き合い頂ければ幸いです。
どうも、そらいろさくらと申します。
突然ですがあなたのベストワンの本は何ですか?
私は本が大好きで、常に読みたい本はあるのですが、好きなものだけ読んでいると、どうしても偏りができるもので、、、
もちろんそれは個性でもあるので悪いわけではないのですが、いろいろな種類の本を読みたいという思いもあって、私はこれまで、いろいろな人から本をお薦めしてもらいました。
そしてお薦めされた本の当たり率が異様に高いことに驚きました。
そこで、おそらくは本好きであろうあなたのお薦めの本を教えていただきたいのです。
もちろんタダでとは申しません。ご紹介いただいた本の感想をこの作品に書いていこうと思います!
まずは自己紹介を兼ねて私のベストワンの作品と、以前SNSで同様の質問をしたときに教えていただいた作品の感想を今回書いてみようと思います。最後までお付き合い頂ければ幸いです。
私のベストワン
米原万里『米原万里ベストエッセイⅠ』角川文庫
作者米原万里さんは日本語とロシア語の同時通訳をされていた方でその後エッセイやノンフィクションなどを書かれた方です。2006年に50代半ばという若さで亡くなられました。
米原さんは大変な読書家でもあります。『打ちのめされるようなすごい本』という書評集で度肝を抜かれたのはいい思い出です。
優れたエッセイ集ということで言えば『旅行者の朝食』でしょうか。このエッセイ集に所収の「トルコ蜜飴の版図」は最高傑作だと思います。
さて、そろそろ『米原万里ベストエッセイⅠ』についてお話していこうと思います。
この作品は2016年米原さんの没後10年に出版された作品です。
本書には先程挙げた「トルコ蜜飴の版図」や『打ちのめされるようなすごい本』所収「打ちのめされるようなすごい小説」も収録されています。
「トルコ蜜飴の版図」は筆者が小学生の時に食べたハルヴァというお菓子を追い求める話なのですが、本当に美味しそうに書かれていて是非とも食べたいと思わせるような文章です。
「打ちのめされるようなすごい小説」は、とある小説についての書評なのですが、めちゃくちゃ面白そうに書かれていてその小説を思わず買ってしまいました。
上記2編に共通して言えるのは「自分が良いと思ったものを人に知らせるときに如何にして伝えればよいか」を学ぶ上で絶好の教材である、ということです。
また同時通訳者時代の裏話も度々出てきますが、いずれも抱腹絶倒ものの面白さです。
SNS上で教えて頂いた作品
恒川光太郎『夜市』角川ホラー文庫
この作品は、表題作「夜市」と「風の古道」の2作からなる作品集です。
「夜市」は大学生のいずみが高校時代の同級生裕司に誘われて夜市に行く話です。夜市は永久放浪者を始めとするこの世のものではない者たちがいろいろな物を売っている市場です。裕司はある目的を持って夜市へと向かいます。
この作品は第12回日本ホラー小説大賞受賞作で分類としてはホラー作品になるのですが、あまり怖くはないので怖い話が苦手な方にもお薦めです。
「風の古道」は七歳の「私」が迷子になったところから話が始まります。前方から歩いてきたおばさんが帰る道を教えてくれます。その道こそが「風の古道」です。
そして十二歳になった「私」は親友とともに「風の古道」に向かいます。
そして二人はそこで永久放浪者と出会います。
二作に共通して言えることですがこの世に存在しない世界がこの文章を読むと情景が自然と浮かんできます。イメージ喚起力が並大抵ではありません。そして結末の息を吞むような素晴らしさ。
とにかく満足度の高い作品でした。
今回はここまでにしようと思います。
お薦めの本がございましたら、ぜひ感想欄よりお教えくださいませ。
ジャンルは問いませんが二つだけ条件を設けさせていただきます。
①紙媒体で入手できるもの。
書籍化されていないネット小説や電子書籍限定で発表された作品はNGです。
②あなたの人生ベストの作品であること。
一番感動した。一番笑った。一番泣いた。一番影響を受けた。なんでもいいのであなたの一番の作品を教えてください。
①に関しては私が「読書は紙派」だからです。
ではではあなたの「ベストワン」を楽しみしております!
それでは失礼いたします。
またね!