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自分が何者か
歩いていっても誰も居ないためその者は休憩をすることにした。
「この程度の距離では眠る前は疲れなかったのだが。何故だ?」
その者は自分が人間になっていることに気付いていない。それもそのはず、その者が眠りにつく前は人間など居なかったのだから。
「む?」
その者は鳥を見つけ、話しかけてみた。
「おい、そこの鳥。」
「ピピ!!」
鳥は反応し、その者がいる方向を向く。
「私が何に見える?」
「ピピ!!ピピピピピピ!!」
「人間?とはなんだ?」
「ピピッピピ」
「ほう。」
(人間は今の生態系の頂点であると、しかし、個個ではとても弱いと。)
「すまない、勉強になった。」
「ピピ!!」
鳥にその者が礼を言うと、鳥は明後日の方向に飛び去っていった。
「まずは、昔のように力が使えるか調べてみよう。」
彼はまた歩き出した。今度は自分の力が使えるか調べるために。