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5話 手を伸ばせばそこに

◾︎


情報戦。


おっぱいをさわれば、全てがわかる。


おっぱいだ。


おっぱい。


行け。


体が動かない。


こういう時はどうするんだっけ。


「私はドグラマグラモヨコです。お兄さま」


全裸の女がまたしゃべった。


怖くておっぱいしか見れない。


「モヨコです。お兄さま」


ドグラマグラは苗字か。


区切る箇所がわかっても。


俺は怖くておっぱいしか見れない。



「お兄さま」


そんなこと言われても。


どうしよう。


とりあえず口をもごもごさせる。


何か答えるか。


情報戦。


そうだ情報戦。


本名は無い。


本名はあぶない。


「俺は」


どう答える。


正解はあるのか。


「俺は」


俺の口が動いた。


「お兄さま」


全裸の女が言った。



全裸の女が言った。


「お兄さま」


たわわなおっぱいを隠さずに言った。


「お兄さま」


確信にみちみちた声で言った。


「お兄さま」


全裸の女がまた一歩俺に近づいた。


手を伸ばせばそこにおっぱいがある。


俺の右手が急におっぱいに伸びた。


『トン』


急に床が近くなる。


俺は倒れたのか。


俺の右手が見える。


何が起きてる。


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