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第一王子は出番がほしい!  作者: いとなつきみ
16/21

大ピンチ!

 倒れたまま起き上がれない僕を心配してか、人形の焦った声が聞こえた。


 「あー何で私にはチートがないの!ブレント気合と根性よ!フレーフレーブ・レ・ン・ト!頑張れ・頑張れ・ブレント!」


 僕は人形の謎応援に困惑しつつ、どうにかして立ち上がろうともがく。


 そうこうしている内に、火の手はベッドを燃やしつくし、次第に本棚へとその魔手を伸ばそうとしていた。人形の所まで来るのも時間の問題だ。そんな中でも人形の謎応援は続いていた。


 「頑張れブレント!頑張れば楽しいことが待ってるよー!ブレント約束したよね?明日一緒に楽しく笑顔の練習と計画を立てるって!約束したよね!」


 そうだった。明日は人形と約束があるんだった。


 笑顔の練習は楽しい・・かはちょっと微妙だが、人形と一緒なら自然に笑える気がした。

 

 僕の知らない楽しい何かが、待ってる気がしたんだ。


 それが本当か知る為には・・


 僕は気力を振り絞りヨロヨロと立ち上がる。


 フンッと足を踏ん張りキッと扉をにらみつけた。


 「邪魔だぁー‼」ドウォォォーン‼バァキーッ‼


 扉が吹っ飛んだ!


 「ヤッター!」人形の歓声が聞こえた。


 僕はフラフラしながらも、火の手が近づいている本棚に歩いて行き、人形を掴んだ。


 「さあ、急いで外に出るぞ!」 


 しかし、ぽっかり空いた出口に向かって足を踏み出した途端、存在を忘れかけていたジャックリーズに、横から体当たりされ仰向けに倒されてしまった。


 「王妃様は約束してくださったんだー!絶対王太子様の従者になるんだー!俺をバカにした奴らを見返すんだー!」


 ジャックリーズは自分に言い聞かせるように叫んでいる。


 現実逃避なのか破れかぶれなのか、ジャックリーズは、計画通り僕を殺してしまえば、全てがうまくいくと思い込もうとしているのかもしれない。


 またもや、首に回された彼の両手を払いのけようとしたけれど、もう魔力も体の力も残っていない。


 ジャックリーズは両手にグッと力を込めてきた。


 段々と意識が遠のいていく・・・


  

 「動け私!出来る!絶対出来る!気合!根性!頑張れ私!」


 いきなり人形の声が聞こえた。


 次の瞬間、


 人形の姿はジャックリーズの頭の上にあった。

 

読んでいただきありがとうございます


次話は一時間後に投稿予定です

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