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虹葉高校新聞部です。  作者: 琥珀
三章 タタミ・カコミ
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朝八時新聞部部室にて

  翌日。八時よりも少し前に学校の校門を通った。人はパラパラとしかいなかった。ちなみに市来には登校する時に会っていない。昨日のことだろうか?それとも部活の緊急会議とか?昨夜隼に連絡しようか迷ったが、結局何もせずに学校へ来た。あまり昨日は眠れていない。非常に眠い。用が済んだら教室で少し仮眠をとろう、と鈴は思った。

  先に教室に向かった。生徒はまだ数名しか来ていなかった。あいにく隼も茜も来ていない。荷物を置いてから静かな廊下を歩いて、一つ下の階へと向かう。

  二年生の階も比較的静かだった。部室の方のフロアは人っ気など全く無かった。部室の前に行くと、深呼吸をして十秒突っ立った。いつも通り入れば良いんだ。いつも通り、おはようございますって。

  そっとドアを開けると市来がいつもの定位置に座っていた。しかし頭は軽く下を向いていて、目は閉じていた。椅子に座りながら寝ている。鈴が歩いていって自分のいつもの椅子に座ると、そこで市来が気がついたように目を覚ました。


 「ああ、鈴ちゃん。おはよう、朝早いのに来てくれて。急に呼び出しなんかして、ごめんね」


  いや大丈夫です、と鈴は首を振って答えた。市来は向かい合って斜め左の方向に座っている。


 「鈴ちゃん、眠そうだね。昨日ちゃんと寝てないの」

 「い、いつもの事です、朝は・・・・・・」


  今日のことが気になりすぎて眠れなかったなどとは言えるわけがない。そして、何のご用ですか、とも聞けなかった。二人の他に部員は居ない。


 「鈴ちゃん、覚えてるか分からないけどさ。俺、学園祭の二日目部室に鈴ちゃんと戻ってきた時、変なこと言ったでしょ」


  市来は頬杖をつきながらこちらを見て話しているが、鈴は目を合わせることができなかった。変なこと、というのは隼に聞かれたあれの事に違いない。市来は続けた。


 「その時に鈴ちゃん何か勘違いしてるみたいだったから、訂正しようと思ってさ」

 「・・・・・・訂正?」

 「うん」


  そう市来がうなずいたと思うと、また謎の沈黙が流れた。開いている窓から登校してくる生徒達の声が聞こえる。 鈴がふと市来の方を見ると、ばっちり目が合ってしまった。そして市来はやっと口を開いた。


 「好きだよ、鈴ちゃん。俺、鈴ちゃんが好きだ」

 「え・・・・・・」

 「いつからかは分かんないけど、鈴ちゃんと一緒にいると楽しくてさ。それに、この間お昼持ってきて誘ってくれた時も凄く嬉しかったんだ、何回も言ってるけどね。でも、何回も言いたくなるくらい、嬉しかった」

 「・・・・・・」

 「俺と、付き合ってくれないかな」


  市来は全く嘘をついているようには見えなかった。そこまで言い終えた時、市来の視線は鈴から離れた。頬も何だか少し赤い。鈴も自分の顔が熱くなっていることに気づいた。市来は返事を待っているようだった。


 「そ、その・・・・・・まだ、すぐにはお返事は、できない・・・・・・です」

 「うん、そうだよね。ゆっくり、考えて欲しい・・・・・・先輩だから断れないとか、そういうのは考えなくて良いから・・・・・・鈴ちゃんの気持ちを教えて欲しい。・・・・・・返事、待ってるね」

 「・・・・・・はい」


  半分その場から逃げるようにして鈴は部室を先に出ていった。心臓の音が耳元でする。これは夢かもしれないと何度も何度も思った。でも夢ではなかった。どうしよう、どうしよう。そう思えば思うほど、胸がきゅうと苦しくなった。



 編集後記:Fanfare!!特別展示をご覧になった方も居ると思いますが、恒例の壁新聞、今年は何と私市来仁という部員について取り上げていました。ある一件では、皆さんに不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。改めて新聞という物体の凄さを身に染みて感じています。約二ヶ月後には連文祭が待ち構えています。新聞部は全国出場を目標に連文祭に向けて準備を勧めていく予定です。(市来)


 四章へつづく

四章で最終章となります。

読んでいただきありがとうございました。

これからもよろしくお願い致します。

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