新聞に載った新聞部
翌日の新聞の記事に、鈴達は載ってしまった。どこで入手したのか、写真まで載っていた。多田の別荘の住所も既に特定され、虹葉高校の新聞部であることもすぐに突き止められていた。
「恐ろしいね、マスコミって。こんな現場に立ったこと無かったから、今まで他人事だったけど」
香がそう呟いた時、タクシー内でも地域版のラジオニュースが流れた。内容は昨日の鈴達の事件である。助手席に座っていた隼が、鈴と香の方を振り返って言った。
「神江達を脅した奴ら、前も同じようなことしてたらしいよ。合宿に来てた高校生を脅していたって」
「酷い人達ね。でも隼、そんなことどこで知ったの?」
「ネットのニュース」
「ええっだったら、学校のみんなももう知ってるかもよ!ツイッターとかで流れたらあっという間じゃん」
「うん、もうとっくに流れてると思うよ」
鈴がスマホを見ながらそう言うと、香と隼が顔を見合わせてから鈴の方に目をやった。鈴は朝早く来た茜からのLINEを見ていた。
「茜からLINEが来たもん。伊豆の事件のやつ、鈴の部活でしょって。まあ、茜にはちょうどこの期間に伊豆に合宿に行くって教えてたのもあるんだけど、茜が言うには嵯峨先輩と市来先輩の写真が上がってるらしいの。パトカーが来て私達が保護された後、先輩達残ってたでしょ現場に。その時の写真」
「新聞部が新聞に載ることになるとはなー」
「それでも隼くん、マスコミ関係の仕事に就きたい?」
「うん、それとこれとは別。俺の父親が大手のマスコミ関係の職員でさ、もうずっと憧れてんだ。それが理由だから」
「そうなんだ、凄いなぁ。私まだ将来の夢なんか何にも無いよ。今は小説書いてることが楽しいし」
鈴がふてくされたように言うと、香はすぐに皆そんなもんだよ、と励ましてくれた。実際鈴には将来の夢が無かった。好きなことを仕事にしたい。これが実現できたらきっととても楽しいけど、もしその好きなことが食べていけないようなものだったら?おそらく口を糊するような生活となってしまうだろう。
「夢なんてさ、まだまだこれからゆっくり探せば良いんだよ!夢のない大人なんていっぱいいるし、こうやって鈴が悩んでること自体もう立派なことだと私は思うけど?」
高一の夏はあっという間に終わってしまった。行事盛りだくさんの秋がやってくる。この数ヶ月で、自分は何も変わっていないような気がする。その度に同級生の香や隼と比較してしまう自分がいた。
新聞部に入部して、約半年が経とうとしていた。
編集後記:今年度ももう少しで半年となります。新聞部の合宿では色々と事件が起きました。ですが、新聞部に予想外のハプニングはつきものだと私達は思っています。体育祭、学園祭と行事が続く充実した二学期に、より楽しいFanfare!!をお届けできるように頑張ります。(皆川)
三章へつづく
三章 タタミ・カコミへ続きます。
体育祭、学園祭と行事盛りだくさんの二学期は、大忙しの新聞部。
実はもう連文祭も近づいてきていることに、神江達は気付いていない・・・・・・。
これからも宜しくお願いいたします。




