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虹葉高校新聞部です。  作者: 琥珀
二章 セカンド
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借金まみれの市来

 男集団は大学生だった。度々合宿などでやってくる女子高生を誘拐していかにも自分が襲われたかのような写真を女子高生に見せて、ばらまかない代わりにお金を要求する、そんな立派な犯罪を犯している人達だった。大学生は市来や嵯峨を見かけてもただの高校生だと甘く見ていたらしい。

  後から知ったのだが、嵯峨は家が道場で柔道をやっているという(しかも黒帯らしい)。市来は特に何も自分から言ってこなかったが、人の殴り方が手慣れていた。

 "やりたくないくらい喧嘩はやってきたんだ"

  その言葉を鈴は忘れることができなかった。市来の過去が少しわかったような、そんな気がしたからだ。

  その夜、女子軍と嵯峨と市来が別荘に戻ってきたのは九時ごろだった。事情聴取だの何だのとしていたら、こんな時間になってしまった。既に簡単な夕食を済ませ、別荘で待っていた隼と多田はすぐにロビーに出迎えに来た。


 「怪我も無くて本当良かったです・・・・・・」


  隼が少し安心したような声を出して、女子達に向き直った。俺怪我したよ、と市来が自分を指さしながら言っていた。別荘に着くといきなり空腹感に襲われて、鈴達は食事を軽くとった。すると奏がいきなり口を開いた。


 「・・・・・・まだ、ちゃんと言ってなかったから・・・・・・嵯峨さん、仁、ありがとう、助けてくれて。それから、鈴ちゃん、香ちゃん、ごめんね。私がしっかりしていないから何も不審に思わないで車に乗ったりなんかしたから・・・・・・鈴ちゃんには特に怖い思いさせたよね。隼くんと多田先生も、心配かけてごめんなさい」


  それに続いて、鈴も香もそれぞれお礼と詫びの言葉を言った。すると嵯峨がいやいや、と首を振った。


 「俺達のことなんて気にするな。そんなことより、お前達は大丈夫なのか?俺はお前達の方が心配だ」

 「・・・・・・部員ども。今回、予期せぬ事態が起こってしまったわけで・・・・・・明日の朝はすぐにここを出て東京へ帰ることになった。すぐ東京という訳でも無いが、一刻も早くここを出た方が良い」

 「何故ですか?」

 「・・・・・・さっきここに新聞記者が来た」


  あいにく、警察が来る前に嵯峨達が女子を見つけ、男集団を負かしてしまったため、大きく警察沙汰にはなっていなかった。しかし、男子高校生が大学生を負かしたという事実がマスコミを呼び寄せてしまったらしい。


 「お前ら、こんな内容でテレビに映りたくないだろう。嵯峨と市来に会いたがっていたようだが、お前らが出たらすぐに被害者が皆川達だと学校の奴らにも知られてしまう。被害の内容も内容だ。そんな公にしたい内容じゃない。明日の朝、九時にはタクシーがここへ来るからそれに乗って駅まで行こう」

 「多田ティー、俺ちょっと提案があるんだけど」


  市来が手を挙げて言った。何だ、と多田は市来の方を見た。


 「こんな雰囲気で合宿終わるの、俺も嫌だし皆良い気分しないと思うんだ。だからさ、人生ゲームやろうよ、皆で」

 「今から?」

 「当たり前じゃん。奏だって夜寝るの心寂しいでしょ。だから、やろうよ。夜の人生ゲーム、お風呂入ったらロビーに集合!おーけー?」


  夜の人生ゲームは想像以上に盛り上がって、ゲームは二回戦まで続いた。言い出しっぺの市来は何故か二回戦とも最下位だった。

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