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虹葉高校新聞部です。  作者: 琥珀
二章 セカンド
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不思議不思議の連続

 ブルーベリージュースは鈴にとっては美味しく感じた。見た目に騙されるな。ぶどうジュースだと思って飲めば、酸っぱくも感じるだろうな。今度はクッキーがテーブルに置かれた。しっとりとしたクッキーだ。それを手に取り口に入れると、噛んだ部分からボロボロとクッキーの粉が落ちた。粉はスカートの上に落ちていく。

  女性はそれを見て笑いながら言った。


 「良いのよ、お行儀悪くて。それはどうしてもそうなっちゃうクッキーなの。不思議でしょ」


  しかしその人がクッキーを焼くことが下手であるという訳でもなく、普通にそのクッキーは美味しかった。何枚も食べることができそうなくらい病みつきになる。


 「美味い」


  ぼそりと嵯峨がつぶやき、鈴達は顔を見合わせて安堵を覚えた。不意に奏が女性に尋ねた。


 「何故、こんな森の奥にお店を?」

 「・・・・・・ここがただ単純に好きなだけよ。私は元から一人でものづくりをすることが好きでね、ここをアトリエにして、そのままお店もやろうって思ったの。だって、この場所何だか神秘的じゃない?」

 「じゃあこの場所は切り開いた訳ではないんですね」

 「ええ。私も偶然見つけたの。だからいつからこの場所がここに存在するのか、私にもわからないのよ」


  不思議な場所。不思議なログハウス。不思議なお店。不思議な店員。何とも不思議なスクープを取ることが出来た。



 合宿二日目の夜は嵯峨の予告通りバーベキューだった。準備から片付けまで全て部員で行い、バーベキューを楽しんだ。鈴は肉を焼きながら、市来がピーマンばかり食べていることに気づく。


 「市来先輩、お肉食べないんですか?と言うかもっと食べてください」

 「良いよ俺はピーマンで」

 「ピーマンしか食べなかったら夏バテになりますよ!」

 「はあ、意味わかんないだけど!」


  多田が何を間違えたのか、肉の量が異常に多すぎて鈴と香は初めに見た時驚く他なかった。

  普段何かとうるさい嵯峨が静かだ。嵯峨は海の方を見ながら黙々と食事をとっている。それに加えて、奏も隼もペースを崩さずにずっと食べている。


 「あの人達の胃袋の中どうなってんの・・・・・・」

 「例えるならブラックホール?そのうちトウモロコシとかまるごといくかもよ」


  市来も無駄に強情でずっと野菜しか食べていない。ふと市来はこちらは振り返り、鈴に尋ねた。


 「昼間の人、誰だかわかったの?」

 「え?昼間の人?」

 「何か変なとこ忘れっぽいんだな、鈴ちゃんって。ほら昼間、黒いバンが海岸沿いに停まってたじゃん」

 「ああ、あれ。すっかり忘れてました、誰だかわかってませんよ」

 「あそう。てか、俺との約束忘れてないだろうね」

 「わ、忘れていないですよ」


  "みんなには秘密にしてもらえるかな" あんな真剣な表情で言われたら、忘れる訳が無いに決まっている。


 「今夜女子部屋遊びに行っても良い」

 「何馬鹿なこと言ってんの仁!女子の部屋に来るなんて随分じゃないの」

 「じゃあこっちの部屋に来てよ。みんなで人生ゲームやろうよ」

 「人生ゲームなんて持ってきたんですか?!」


  鈴が素っ頓狂な声を出すと、市来はモゴモゴとした口を抑えながら答える。


 「俺達の部屋の押入れから出てきた。結構古いやつ。五百円札とかあった」

 「明日だって朝早いんだぞ。やるなら明日の夜にしろ」


  嵯峨がそう言って、市来はようやく諦めた。でもゲームをやることに嵯峨は了解しているようだ。

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