表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹葉高校新聞部です。  作者: 琥珀
二章 セカンド
21/66

再会は突然のこと

 「市来が新聞部かぁ・・・・・・驚いたなあ。虹葉って言うと、うちが二位だった時三位だった学校だな?」

 「はい。・・・・・・鈴ちゃん、先生は俺の担任だったんだ。先生は新聞部の顧問だったらしい」

 「そうだったんですか。私は市来先輩の後輩の神江です」

 「それで、何でこんな所に?」


  鈴と市来は顔を見合わせた。すると市来が困ったような口調で事情を話した。


 「そのー、うちの部長に伊豆でスクープ取ってこいって言われて。今俺達合宿中なんですけど・・・・・・そしたら鈴ちゃんが、ここの高校の新聞部に色々聞いてみたいって言いだして・・・・・・」


  色々聞いてみたい、などと一言も言った覚えは無い。先輩達は平気で嘘をついて喋る。そして何故か自分を話題に挙げている。鈴は思わずその場でため息をついてしまった。その様子は教師に見てとられたらしい。


 「遠くから長旅、お疲れだね」

 「い、いやその・・・・・・すみません」

 「それにしても市来、お前がここへ自分から来るなんて夢にも思っていなかったよ。いつかお前が学校に来るんじゃないかって待っていた奴らもいたぞ」


  嬉しそうに教師はそう話すと、何人かの名前を挙げた。みんな、ここの高校での市来の友人だろう。まともな友達なんて居なかった。そう市来は言ってはいたが。


 「でも、その様子じゃお前・・・・・・向こうで楽しくやっているみたいだな。後輩もできて」

 「・・・・・・はい、何とかやってます」

 「そうか、それなら良かったよ。・・・・・・みんなに話してもいいか?お前がここへ来たこと」

 「・・・・・・いいや、黙っていてもらえませんか。あいつらには、いつかいきなり突撃して、驚かせたいから」


  あ、また嘘をついたな。何故か鈴はその時そう思ったのだった。教師も市来も黙ってしまい、沈黙が流れた。鈴はあの、と口を開いた。


 「私達の高校も、全国を狙ってるんです。今年の連文祭で。何か・・・・・・新聞を作成するにあたって心がけていることとか・・・・・・アドバイスとか教えてもらえませんか」


  すると、教師はおかしそうに声を上げて笑った。鈴は一瞬戸惑ったが、その後の教師の言葉でほっとした。


 「ライバル高校の顧問にそんな質問をするとはな。でも、俺が大切だと思うことはな・・・・・・いかに君達の新聞のファンを増やしていくかだ。当たり前のように聞こえて、案外難しい事でね。校内新聞のファンは全校生徒の範囲に限られる。まあ千人近くいるだろうね・・・・・・でも読者を増やすというよりもファンを増やすという考えにすると、きっと何かが変わると思うよ」

 「ありがとうございます」

 「ありがとうございます」


  この先生が顧問だったら、新聞部はまた違うのだろうな。鈴はカメラを持っていることに気づき、写真を撮りましょうと提案をした。市来の母校の新聞部部室で、鈴と市来と市来の元担任が写った奇妙な写真が撮られた。

  学校を後にしてから、鈴は言った。


 「もうこれ、スクープですよね!スクープです!市来先輩の母校発見!」

 「うん、まあそうだね。でも先生と話したこととかさ・・・・・・みんなには秘密にしてくれるかな。ちゃんと話すからさ。栞先輩が卒業する前までには」

 「・・・・・・わ、分かりました。じゃあ母校見つけて、新聞部突撃したってことがスクープですね」


  うん、と市来は微笑みながらうなずいた。何故みんなには黙っていて欲しいのか、その時鈴にはよく分からなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ