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虹葉高校新聞部です。  作者: 琥珀
二章 セカンド
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夜の女子会

 

  その日の夜。色々と気持ちが高ぶりなかなか眠れなかった女子達は何故か語り会が始まった。合宿や宿泊行事定番のアレである。三人で身を寄せ合い、声があまり大きくならないように話をした。先生が見回りに来るというスリル感は無いものの、そんなに大声で笑うわけにも行かない。ひそひそと話し、くすくすと笑う。それが楽しい。奏を真ん中に挟むようにして鈴達は寝転がっていた。


 「でさでさ、二人は好きな人とか居ないのー?」

 「そんな、居ないですよ」

 「私も居ないです。まだ高校入ったばかりですからね」

 「そうなんだー。じゃあ、うちの部の中だったら誰がタイプ?」

 「それめっちゃ困る質問ですよ先輩」


  うーん、と鈴と香は唸りながら悩んだ。答えを待っているかのようににやにやとしている奏に、鈴は逆に聞いてみた。


 「奏先輩は誰がタイプですか?」

 「私?私はあの中で強いて言うなら嵯峨さんかなぁ」


  意外と即答だった。奏は笑いながら続けた。


 「どっちかって言うとね、消去法って感じ。だって仁は私のこといつもからかってきてムカつくし、隼くんは・・・・・・結構真面目よね。まあまだ隼くんのことよく分からないから、これからって感じ」

 「・・・・・・私は凄く強いて言うなら市来先輩結構かっこいいと思います」


  鈴が小声で言うと奏は微笑んだ。そして、仁は普通に良い人だと思う、と続けた。


 「仁はね、転校生だったの。一年の六月に、転入してきたの」

 「高校に転入してきたんですか?」

 「うん。本人は引越しって言ってた。でも、普通の引越しって感じはしなかった。前の学校で何があったのか知らないけど、凄く話しかけにくい感じだったの、第一印象が。でも、仁だって部活は入らなくちゃいけない。そんな時に声をかけたのは栞先輩」


  だからだったのかな、市来先輩が栞先輩を慕っていたのは。栞先輩は男子の目にも可愛く美しく見えるに決まっているけれど、市来先輩は何処か態度が違った。感謝しているような、尊敬しているような、そんな眼差しを向けていた。よく自分から先輩のことを話題に出していたし。


 「仁はなかなか友達出来なかったからね〜。でもあの人色んな人と話せるし、愛想が良いでしょ。まあ私も同じようなもんなんだけどさ、友達出来ないのは。ここの部活が居心地良いって思ってくれたら、それだけで私は十分嬉しいんだ・・・・・・。香ちゃんは誰が良いと思う?良い感じに飛ばしたりしないからね」

 「ま、まじですか・・・・・・私も、嵯峨先輩が良いですかね、あの中なら」

 「嵯峨さんもねー何だか色々あるの、皆。嵯峨さんは何だか鈴ちゃんのこと気に入ってるような感じがする。でも多分それはね、嵯峨さん自身もかつて小説を書いていて鈴ちゃんと同じだからだと思う。だって鈴ちゃんの小説連載することが決まった時、自分のことのように嬉しそうだったから、あいつ」

 「嵯峨先輩が小説なんて書くんですか・・・・・・?」

 「前ね。今は書いてないと思うけど。あんまり変に話すと嵯峨さんにバレるから。またその都度、もしかしたら本人が教えてくれるかもしれないし。・・・・・・鈴ちゃんは明日頑張ってね、仁と。私は香ちゃんと二人で下田でもぶらついてくるわぁ」

 「えっ良いですねそれ!めっちゃ楽しみです!」


  香が楽しそうに声を上げた。正直羨ましい、と鈴は思った。男女になるなら皆男女になればいいのに。でも市来だったら、土産屋巡りなども付き合ってくれそうだ。ある意味嵯峨にならなくてラッキーである。その頃市来は、明日は鈴ちゃんとデートだぁ、などと叫んでいたらしく嵯峨に怒られていたとか。


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