新聞部の夏
ここから二章セカンドが始まります。
神江鈴は担任から一学期の成績表を受け取った。順位も点数もまずまずと言った点数だった。しかし数Ⅰは下から数えた方が早い順位で、思わずうわ、と声が出たくらいだ。
部活の活動日数が自由化になって、中間が終わった後、新たな部活が二つ程出来た。確かどちらもアンケートに書いていた部活だったはず。バスケとフットサルも活動内容が変わり、ある意味皆が転部の時期となった。それを受けてファンファーレは七十六号を発行し終えた。そしてあっという間に期末考査が終わり、一学期が終了した―明日から夏休みである!
今日は久々に茜と放課後JKをすることを決めていた鈴は、嵯峨に呼び出しをされる前に夏休みの予定表を貰いに行くことにした。
「新聞部に用事があるんだけど良いかな?茜も部室来る?」
「うん、良いよー。部室?行ってみたいー」
もう部室に入ることに戸惑いは無くなり、ノック無しでドアノブを回した。部室ではゴソゴソと机や引き出しを漁っている市来が一人居た。おう、と市来はもごもごとした口で挨拶をしてきた。どうやら奏のお菓子を勝手に摘んでいるようだった。
「どうだった、鈴ちゃん成績は。そんなに転んでない?・・・・・・おう、友達?」
「はい、同じクラスの茜です。ダンス部に所属しています」
「茜ちゃん・・・・・・か。俺は市来です、鈴ちゃんの先輩です、鈴ちゃんのことはいつも世話してます」
茜は少し困ったように、というよりも恥ずかしそうにうつむいてもじもじとした素振りを見せた。これ以上市来のだる絡みが始まるのは嫌だった鈴は簡潔に用件を伝えた。
「夏休みの予定表を貰いに来たんですけど」
「あーはいはい。鈴ちゃんのことだから新聞部は夏休みは何もやる事ないだろう、とか勝手に思って予定表なんか取りにこないんじゃないかと思ってたよ。百円、奏に貰われたなぁ」
「私の行動を百円で賭けてたんですか・・・・・・百円で・・・・・・」
「たかが百円、されど百円でしょ。あっこれ予定表ね。嵯峨っちから合宿の話は聞いた?八月の頭にある、三泊四日のやつ。まぁ合宿という名の旅行だけど」
「合宿?!新聞部が?!」
「だから合宿という名の旅行!まぁまた詳しいことはLINEグループで始動すると思うよ。じゃあ、うん、バイバイ!」
半ば追い出されるように鈴と茜は部室を後にした。茜は鈴の顔をじっと見つめて、しばらく廊下を歩いていた。そして校舎を出た辺でいきなり叫んだ。
「何あの先輩?!めっちゃイケメンじゃん!!」
「え」
「新聞部って何かこう・・・・・・もっと地味なイメージあったけどさ。あの、部長もキリッとしててかっこいいし、立石くんもまあまあイケてるし」
「えっ茜、嵯峨先輩知ってるの?」
「知ってるも何も、新歓の後新聞を貰った時。私に渡してくれたのそのキリッとした人だったもん、ちょっと眼力は強いけど」
一人でふふ、と茜は笑うと弾んだような足取りで鈴よりも前を歩き始めた。茜はイケメン、が好きなんだ。でも新聞部の人達はイケメンに類するのか?部員達の性格を知った前提でなかなか頭を悩ませる。
確かに市来は普通に笑っていればかっこいい先輩だと思う。最近は前髪が伸びてきて、明るい色(何故かピンク色とか)のゴムで前髪を結わえてピンで留めていた。部活外で見かけた時は、制服も着崩しているからか元ヤンのように見えた。普段も結構へらへらと笑いへらへらと歩いているような気がするが、そんな人が新聞部という文化部にいるといわゆるギャップ萌えがあるのだろう。
「鈴、何ぼーっとしてんの?」
「ううん、何でもないよ。ちょっと考えごとを」




