プロローグ―おっさん現れる―
Exceed
超越とかなんとか
俺の名前は・・・・・・何だったっけな。
あー、どうも最近忘れっぽくていけないね。
ま、俺のことはしがない営業サラリーマンのおっさんだと思っといてくれ。
それは覚えてるからな。
サラリーマンって何かだって?
んー、簡単に言えば売り込みの仕事かねぇ・・・
ここでは何て言うか知らないけれど。
さて、どこから話したものか。
あぁ、こっちに来たのはつい最近だ。
右も左もわからずに放り出されたんだよ。
いや?神様には会ったこともないし、事故で死んだとかでもない。
営業先の会社の自動ドアの先がこの世界だったのさ。
自動ドアってのは・・・んー、人が来ると勝手に開くんだよ。
そうだよ、ドアがね。
まぁ、自動ドアのことは置いといて。
んで、とにかく自動ドア抜けたら森の中だったのよ。
そう。
この村の近くの・・・えっと?『召魔の森』だっけ?
そうそれ。
そこに突然立ってたのさ。
俺一人でね。
こちとらしがないサラリーマンだからね。
スーツに革靴で森の中とか・・・どんなイジメなのかと思ったよ。
戻ろうと後ろ振り返っても、自動ドアどころか何も無いし。
で、ボケーと突っ立ってたら、その何だっけ?
『デス・ラージャ』だっけ?・・・それに遭遇しちゃったワケなんだわ。
うん、そっから先は君の見てた通り。
そう。
だから俺は、この世界じゃない場所の人ってことになるんかねぇ・・・