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9要人警護訓練で捕獲

王女殿下にお茶を淹れます


どうだ、女学院首席の技を見よ、これは大丈夫だと思う。このお茶に合わせた菓子と、王女殿下のお好きな菓子を用意しておく。髪結いは苦手……、侍女様に練習させてもらおう。ドレスや装飾品を選ぶのは微妙、色合わせなんかは知識で補えるけど、そもそもセンスがないのだろうか?貧乏だったからかもしれないなぁ……もう少し、令嬢方の服装なんかをコッソリ見ておこう


そうやってできることを増やしていこう、仕事を押し付けられたって、機会が回ってきたと考えてやろう。ただただ辛かっただけのお仕事も、こうと決めたら早いですよね。伊達に首席ではないんですよ、効率よく吸収吸収



まぁ、何でもかんでもやりすぎて、王宮侍女たちからMの人だと思われていたのは知らなかった……



そしてある日


「本日の合同訓練は、要人護衛だ。要人を借り出しているから、1日つきっきりで護衛せよ」


練兵訓練隊長閣下の号令の元、私の護る要人とは


「見習い、きちんと私を護る様に」


宰相補佐官様だった、護衛要らないですよね?


宰相補佐官様につく護衛は、私こと護衛騎士見習いと中級騎士様と従騎士さんだった。3人そろっても勝てなそうな、ムキムキ宰相補佐官様。その宰相補佐官様を囲むように護衛します


まずは宰相府に移動する際、宰相補佐官様は走りはじめた、本人曰く時間が無いとの事ですが、早い早すぎる、なんであんなデカい体で風の様に走っていくの?中級騎士様はなんとかついていきますが、従騎士さんは遅れ気味、私は完全に振り切られています。しかし行く場所は宰相府だとわかっているので、ルートを替えて走りますよ


別のルートを使って宰相補佐官様の前に出た所為で、あの鉈で攻撃されるも間一髪避ける私。なんだ刺客かと思ったとは宰相補佐官様の発言。護衛対象の要人に攻撃された!!


その後も、窓から飛び降りる。屋根を伝って宰相閣下の執務室に行く。逆にまた襲われる。……護衛対象失格じゃないですか?と聞くと、練兵訓練隊長閣下の言うとおりにしているのだがと言われた。酷い、酷過ぎる隊長閣下


書類を仕上げた宰相補佐官様は、またもや走って宰相閣下の執務室へ。中へは入れないのでドアのところでピシッと直立、待っていると数十分程で出てきたのだが……


「弟君、何故に文官服で執務室から出てきたのですか?」

「気が付くの早いよ、見習いちゃん。これが愛の力?」

「ち……違いますよ!!で、宰相補佐官様はまだ中にいるのですか……っ、まさか!!」


もう居ません~わはははは、と走り去る弟君。困惑する中級騎士様と従騎士さんに、ひとまず弟君を追ってもらい、私は執務室内を検めます。部屋の中には宰相閣下でさえいない空っぽ状態。驚きで油断したとは言い訳なのはわかっています、背後から当身を食らって、あっさり気を失ってしまいました





気が付くと、ベッドの上で拘束されていました……どういう事なのでしょう?まさか、先日の王女暗殺未遂事件の生き残りに捕獲されたとか。その割には縄のしばり方が卑猥だ、亀甲なんとかというヤツでは?なんて赤面していると、恐らく縛ったと思われるかた登場


「私ではないぞ」

「違うのですか、宰相補佐官様」

「宰相閣下だ」


この際だから思いを遂げちゃえばと言われたそうだ、宰相閣下め、偉くなかったらボコボコにしてやるのに……出来るかどうかはともかくですけどね


「ボコボコには私がしておいたから、安心しろ」

「宰相閣下に危害を加えたら駄目じゃないですか」

「それは想いを遂げていいという事か、見習い……」

「駄目です、し、仕事中ですからッ!!」



ベッドの上で縛られる私、のしかかる宰相補佐官様。あれ、貞操の危機?恐怖に震える私に、優しく微笑みかける宰相補佐官様。大きな手で、頭をなでてくれました。護衛は終了、本日は要人に問題があるという事で後ほど追加訓練をする事となったそうです


「最近頑張っているそうだな、しかし無理はいけない。ちゃんと食事を取ったか?」

「要人様がおとなしくしてくださっていたら、今頃夕飯を食べてお風呂でまったりしていた事でしょうね……」

「……どうやら、敵に拘束されたことを忘れているらしいな。騎士殿は……」


身動きの取れない私に悪戯を仕掛けてくる宰相補佐官様、いや、性的な悪戯ではないですけど。くすぐられたり、髪を結われたり(意外と上手い)、服をドレスにするのはアウトかなんて聞くものですから、力強くアウトですと言っておいた……残念そうな顔しないでください!!


ひとしきり私で遊んだ宰相補佐官様は、私に跨り例の鉈を握りしめ、振りかざして


「殺られる~~~~~!!」

「縄を切るだけだ、人聞きの悪い」



あいもかわらずホラー感を出してくる宰相補佐官様。手首に縄の後がガッツリついてしまった所為で、王宮侍女たちからやっぱりMの人だと思われていた事を私は知らない。

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