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8微妙な魔法属性

下ネタです。

のんびり駆けつけた王太子殿下と、騎士様。……いえ、この方騎士様ではないんですよね。聞くところによると一級書記官様だそうです……また文官。わが国はどうなっているのでしょうねぇ。遠い目をしてしまいます


「これはとびきり凄惨な廊下だね。第1王女のところも凄かったけれど、血みどろ過ぎるよ自重しなさい」


そう呆れる王太子様に


「戦闘職ではない文官なので、加減が出来ませんで」と言う、宰相閣下と宰相補佐官様


「戦闘職ではない王女なので、加減が出来ませんのよ」と言う、第2王女殿下


「嫁の危機に動転しました愚かな母なので」と言う、現役戦闘職である練兵訓練隊長閣下



そして大したことをしていない護衛騎士見習いの私、あぁもっと強くなりたいなぁ。遠い目継続中です




生誕祭の賑わいに紛れて、粛清がありました。ここだけの話、どうやら他国からの刺客だったそうです。何を目的にしていたのかはわかりませんが、幾つかの伯爵家当主様が病気で隠居されたり、子爵家が後継者がいないという事で潰されたりしたそうです……平和だと思っていたわが国も、色々あるようです、深淵です


「深淵と言うほどでもない、国境近くの鉱山の利権を巡っての陰謀だ。わかりやすいだろう?」

「わぁ~~~~!!そんな話聞きたくありませんよ、私は護衛騎士見習いなんですから」


食堂で宰相補佐官様と弟君と、ルームメイトの侍女様と4人で夕食を食べています。弟君と侍女様は恋人同士なんですから、食事を共にするのは普通だと思いますが、何故に私と宰相補佐官様まで一緒に?邪魔ですよね、完全に


「あれの後始末は大変だったんだから、じゅうたん類は全滅。剥がして廃棄~剥がして廃棄~が3か所もあったんだからね!!」

「文官の方が凶悪ってこの国どうなっているんだろうね、あはは」


侍女様は掃除の苦労を恨めし気に語り、弟君はなんちゃって騎士達の暴挙を笑う。私は黙ってロールキャベツを食します……


「こっちは寝不足な上、職務外の事で残業させられていたんだぞ……多少、荒れても仕様がないだろう」

「多少……」

「どうした見習い?」


睨まれてしまいました、うぅ。ひとまず腹を満たそうと、皆さん黙々と食事を進めます。一足先に食べ終わった私は、なにかデザートでも食べますかと聞き、お茶をもらいに行きました。帰ってくる頃には皆さんも食べ終わっていたので、お茶を飲んで寛ぎます


どうせなら部屋に行ってゆっくりしないかと弟君から提案があって、それに頷いた侍女様は私を引っ張り、宰相補佐官様の私室に行くことになりました


「何故私の部屋なんだ?」

「独身寮には女性は連れ込めません。女性の部屋に男が夜立ち入るのも駄目です、だから兄上の部屋になりました」

「……むう」


宰相補佐官様は宰相府の一室を賜っていて、私達の部屋と比べて豪華で大きい。でも、全然物がおいていないですね、ソファーセットに寝台、本棚。そして机の上には大剣と盾が無造作に置いてありました……血はついていなかったので、お手入れはしてあったようです


「で、兄上様と見習いちゃんはどうなの?」

「どうって……どうにもなっていませんけど」

「そうなの?いい雰囲気だと思っていたんだけどなぁ」


侍女様と弟君はそう言いますけど、一体何時いい雰囲気になっていたのでしょうか……全然ピンときません


「無理だろう、小さすぎる。お祖母様の言う通りに体の相性は重要だ、泣かせるのは本意ではない。宰相閣下のような加虐趣味はないしな」

「さりげなく宰相閣下の性的嗜好を暴露するのは止めなさいよ……ねぇ、見習いちゃん、あなたこの前受け入れられるとかいっていたじゃない?兄上様は嫌い?ムキムキだけどそこそこ優しい人よ」

「ムキムキは関係ないだろう?」


優しい人なのは知っています、泣いていた私に声をかけてくれたのは宰相補佐官様。お家に呼ばれたその帰り、宰相補佐官様の腕の中は心地よかった……。襲撃の最中、広い背中の後ろに隠れていた時だってすごく心強かった


「その……私、ギフト持ちなんです。早い話が、エロ系のギフトで……恥ずかしくて人に言えなかった訳でして」

「私の『処女無痛』より恥ずかしいの?言っちゃなんだけど、これ、かなり字面酷いわよ?」

「軽く上を行くと思います……」


顔が火照る……、言っちゃおう、皆さんは面白おかしく吹聴するような人たちではないと信じているから!!


「きょこん……せんよう……です、うぅぅぅぅぅ、ぐすっ」

「……えっとぉ、読んで字のごとくなのかしら?」

「そのまんまですよ、うわぁぁぁぁん」

「確かに軽く上をいったな」


冷静に言う宰相補佐官様、ですよね!!


あれは私が3歳魔術検診に言った時の事、「『巨根専用』……楽に飲み込んで締め付けるよ」とは王冠の女神神殿の検診してくれた司祭様の言葉、当時の幼い私には何が何だかさっぱりだったのだけれど、母は気絶し父は爆笑……その後、父は復活した母にボコボコにされた、《4の国》風に言うとフルボッコだった


母の「これが知れ渡ったら、幼児趣味のデカい男に無理矢理組み敷かれ、純潔を散らされる可能性があるのをあなたは想像できないの!?」との言葉に、青あざだらけの父はやっと事態の深刻さに気付き、非常に過保護に育てられたのだった。だから騎士の血を継いでいたのに剣術の先生をつけず、学校に行ってからやっとそれに気づいた。おかげで弱弱騎士のまま王宮に上がることとなってしまった


……まぁ、心配してくれたのはわかるのですけどね、逆に早くから稽古をつけていた方が良かったのではないかと、私は思う訳ですよ


「……では、ちゃんと手順を踏めばいいのではないか?」

「うんうん、無理矢理でなければいいんでしょう?清く正しいお付き合いから始めればいいんじゃないの、ほら解決!!」

「そうだね、俺達兄弟姉妹として上手くやっていけると思うよ!!」




という訳で、宰相補佐官様と友達以上恋人未満になったのだ。……恋人じゃない、だってまだよくわからないから、なんて言ったら成人しているのに情緒が育っていないと侍女様に言われた。私もそう思うけど、なんだか素直に頷けなかった



部屋でベッドに入って考える。素直に頷けないのは、宰相補佐官様が凄すぎるからではないかと思う。あの若さで宰相補佐官を任命され、腕っぷしも強い、思いやりもある……自分の事を振り返って、私には何があるだろうと考えてしまった


侍女として半人前、護衛騎士としては半人前にすらとどいていない


あの人にふさわしくある為にはどうすればいいのか……そんなこと考えている時点で、もう決定しているよね。宰相補佐官様が好きなんだって。うわ、やだ、恥ずかしいっ!!なんて悶えていたら、夜が明けてしまった……ね、寝れなかった。


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