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4実家へ突撃

休日、宰相補佐官様のご実家に招かれる


先日ポキリと折れた細剣の弁償をして下さるとの事、正直細剣ではなく、小剣に替えようと思っていたところだから、折れても良かったんですけどね。ご実家の武器庫らしき部屋に来ています、さすが鉈使いムキムキ文官が最弱の家、重そうな武器がそろっています。貧乏子爵家とは全然違いますね


「うちも子爵だが?」

「やっぱり心読んでいますよね?」

「これはどうだ。母のものだから年代物だが、逸品だぞ」


また聞こえないふりをして……、誤魔化しながら渡されたその細剣は、質実剛健、華美な飾りを廃した割に重い、何故だ。しかしお母上様の物を勝手に貰う訳にはいかない、遠慮すると


「見習いの剣を折ってしまったのを母も見ていたのだ。だから遠慮することはない」


お母上様に?侍女か女官なのかな。細剣ではなく小剣でお願いをすると、うちに小剣などあっただろうかと言う物騒なお言葉をいただきながら武器庫をあさる。結局、文官に鉈を持たせる家には小剣など無いとの結論に至り、武器庫を後にした


「長男よ、娘さんに合う剣は見つかったか?」

「母上。ありませんでしたので、良い鍛冶屋を紹介してください」

「そういう事は、父かお前の父に頼め。私は既製品派だからな」

「あ、あの……練兵訓練隊長閣下ですよね……?」


目の前には練兵訓練隊長閣下、宰相補佐官様は母上と言った……マジか!!




食堂には


先々代将軍閣下と先代将軍閣下で現在騎士隊隊長様(位が下がっているが、降格ではない)と練兵訓練隊長閣下(先代護衛騎士隊隊長様)がずらりと並んでいる。皆さん体が大きくていらっしゃる……。宰相補佐官様の、お祖父様・お父上様・お母上様となっています。これなら宰相補佐官様が最弱なのも理解できますね


「……嫁か?」

「……お嫁さんですか?」

「……嫁か?」


ちなみに発言順はお祖父様・お父上様・お母上様となっています


「違います。護衛騎士見習いです」

「……嫁候補か?」

「……お嫁さん候補ですか?」

「……嫁でいいだろう?」


ちなみに発言順は宰相補佐官様・お祖父様・お父上様・お母上様となっています。嫁じゃありませんよ、知り合って3日もたっていないのに!!お三方は違うのかとガックリしていました。話によるとお母上様は晩婚だったので、子供達には早く良い人を見つけて結婚してほしいそうだ。でも宰相補佐官様は見たところ20代ですよね、お母上様は……それほどお年には見えませんけど、晩婚?


「子供は作っておいたのだが、忙しくて籍を入れていなかったのだよ。娘は知らないのか、私の婿は准上級騎士なのだよ」

「付き合いは長いのに結婚に踏み切れない人や、結婚する前に子供を孕ませた人の事を『准上級騎士様』と言うのですよね……え、あ、うぇ!!すすすすすいませんっ!!」

「あはは、いいんですよ事実ですから。今、オレは閣下の嫁なので幸せなんですよ」


朗らかに笑うお父上様、しかも自分の事『嫁』って言った……不思議家族。そんな風にお話していると、宰相補佐官様のお祖母様と姉君(噂の!!)が帰宅なされた。用があったらしいのだけど、私に会いたくて急いで帰ってきたらしい


「お嫁さんですか?」

「義妹ですか?」

「違います!!」

「そうですわよね、嫁は無理よね!!」

「えぇ、無理ですわよね!!」


この巨大家族の中、小さく可愛らしいお祖母様と姉君は私否定派だった模様。……自分だって否定しましたけど、こう面と向かって言われてしまうと、なんとなく面白くない乙女心


「えぇ、えぇ、こんなに小さくて可愛らしいお嬢さんに、あの子のデカいブツが入るわけありませんもの!!娘位でなくては無理ですわ、危険、危険ですっ!!」

「母上、それでは私がユルユルみたいではありませんか」

「義母上、閣下はよく締まっておりましたよ」


……ちらりとお祖父様とお祖母様を見比べる、すごい体格差。早い話が、夜の営みが大変だったイコール小さい私には無理だと言いたいのですね。嫌われているのではなく、心配して下さったのか。ありがたいんですけど、そもそもそんな仲ではないのですよ。ご家族誰も聞いてくれないですけどね


宰相補佐官様がそっと私の袖を引き、食堂から逃げた。そしてここは姉君のお部屋、お茶とお菓子が運ばれて改めて自己紹介。姉君は宰相補佐官と3つ子だとは思えないほど、小柄で可憐な風情の令嬢でした。同じ子爵令嬢でもなぜこんなに違うのだろう……


「ごめんなさいね、可愛いお嬢さん。上の弟が女性を連れてきたのなんて初めてだから……、浮かれてしまっているのよ。両親が子供もいて同居までしていたのになかなか結婚しなかったから、お嬢さんを捕獲しようとしたのね。そもそもこの子のデカいブツが……」

「あ~……、その、多分入りますよ。はい」


余りにも否定されてしまった為、つるりと口が滑った……。ヤバいと思った時にはすでに遅く、宰相補佐官様も姉君も目が輝いていた。姉君はともかく、宰相補佐官様はホラーっぽい


「入るのですか?見せてくださいませんこと!?」


姉君もかなりぶっ飛んだ性格の様だ、見せませんよ恥ずかしい!!

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