15護衛騎士と宰相補佐官様
最終話です。
あれから月日は流れ、目標を持った私は頭角をあらわしてきているそうです。人ごとっぽいと言うなかれ
以前にも言いましたが、周りがハイスペックすぎて自分がどの位なのかというのが把握しにくいんですけど。御前試合に出た時そこそこの成績を出したことで、正騎士昇格となりました……しかも中級ではなく、いきなり上級騎士っていいのかな?
いまいち自信が持てないのは、いまだに小言が多いから。宰相補佐官様に媚を売って、昇格したんじゃないのという意見が多いのです。確かに強盗事件の時の口づけは、私が誘ってしまったんですよね……しかも
「どうした、正騎士の叙勲を控えて緊張しているのか?」
ここは宰相補佐官様の私室のベッドの上、早い話が同衾中。事後です。まだ交際の申し込みはされていないのに……これも媚を売った内に入るのでしょうか?どちらかと言えば、引きずり込まれた感満載です
「やっと交際を申し込めるな……」
「……あの宰相補佐官様。これって私が媚を売っていることになるのでしょうか?か、体を使って……昇格したって事、ですか?」
「中級騎士全員を叩きのめしておいて何を言う。それに私は文官だぞ、騎士叙勲の事に口など挟めない立場だ。もしお前がそれを狙っていたのなら、ヤられ損だな」
「狙っていませんよ」
「もしそれを狙うのなら、私よりも弟と寝た方がいい……。こら、冗談なのはわかっているだろう?ほら、機嫌をなおせ」
失礼な事を言うのでおおいにむくれて、宰相補佐官様に背を向けてやります。宰相補佐官様は、あやすように後ろから抱きしめて
「私はこれ以上出世はしない。宰相閣下はあんな性質でも、優秀な方だ。だからこそ下にいて面白いと思えるのだが」
私の手を取って、指を絡めながら宰相補佐官様は続けます
「伯爵家は姉上が継いだ方が栄えたのではないかと思う。見た目はフワフワしているが、経営に関しては鋭いものを持っていらした。もしくは弟が継いだ方がいいのかもしれない、祖父も父も将軍位を賜った武人の家系だ。あいつもいずれは将軍位を賜る実力を持っていると思う。私ではお前の出世の役には立たない……」
宰相補佐官様は意外と劣等感が強い人なんだろう、自分は家で最弱とか言っていたっけ……。恵まれた体格をしていてとても強いし、ご家族とも仲が良く仕事も順調だと言うのに。なんだかお互い自分の事はよく見えないのかもしれませんね
だから私はあなたを見ていたいと、側で感じていたいの
「それでも良ければ。見習いが上級侍女に任命されたら……求婚してもよいだろうか」
「また目標があれば上達が早い……ですか?残念ながら、そうはいかないのです」
私の手を握る彼の手がビクリと震える。断られたと思ったんでしょうけど、違うのですよ。するりと指を外し宰相補佐官様の腕の中、器用にくるりと回転して彼の首にすがりつきながら言った
「女官長から内々に……正騎士叙勲の際に上級侍女任命も一緒に行われるのですよ。これで正式な『護衛騎士』となります。ふふ、交際を申し込むのを先にしますか?求婚を先にしますか?」
驚いた顔をしていた宰相補佐官様は、事態を把握してニヤリと笑い
「求婚だ」
そう言って、私の上にのしかかり再び挑んできた。彼を楽々受け入れながら締め付ける、私は貴方専用なのですからと囁くと、上等だと囁き返された。
隙あらば宰相補佐官様がエロの方へ走って行ってしまうのを、駄目だこっちだと修正した結果、意外と紳士的な人になりました。最終的には止められずやらかしてしまいましたが、R15で大丈夫ですかね?
ちなみに侍女様と双子騎士様たちと一級書記官は兄妹です。なのでカノジョを孕ませた兄上とは一級書記官の事なのです。
読んでくださってありがとうございました。




