第一
私は右手で、時計を手繰り寄せ、けたたましくなるアラームの音を止める。
窓からは、朝日がさんさんと降り注ぎ、
寝ぼけている私の体を照らしていた。
瞬間、朝日が目に入り、つい、目を細めてしまう。
少しぼーっとした後、むくりと立ち上がり、背伸びをした。そして、今の時間を確認しながら、寝室のドアを開け、一つ一つゆっくりと階段をおりはじめた。
☆
リビングにつき、ソファーに腰をおろした。
そして、机にさっきの目覚まし時計を置き、テレビの電源をつけた。
ソファーは、柔らかくてもう一度寝てしまいそうだ。
だが、そんなわけにはいけない。
もう八時を回っている。
が、予定は昼からだ。まだまだ、ゆっくりしていたいが、時間はかかるだろうし、最低でも9時にここをでたい。
顔を思い切り、叩き、目を見開いた後私は、支度をするべく、立ち上がった。
そして、その調子に足が机にぶつかり、その上、机に顔面を思い切りぶつけてしまった。
………
すっごく目が覚めました。
☆
小鳥の鳴き声
風の音
桜と木の葉が舞い踊り
木と樹の間からには、木漏れ日が差し込み
小動物は動き始める。
私は、歩くのを辞め
大きく、深呼吸をした。
そして、ゆっくり場を見渡し、
口を開いた。
「迷ってしまいました…」
口からこぼれたこの言葉は、ただむなしく消えていった。