10ー1 追憶の人生は凍てつく
「それではな」
「ああ、世話になった」
「いやいや助けてもらったのはこっちじゃよまたいつでも来てくれ」
「またいつかな」
十路はキャニオンの村を後にし、新たな街に向かう。
出来れば馬車が欲しいものだ。
「さあて次はどんなとこかな?」
「ねえ十路一個聞いていいかな」
「どうした?」
「雪って何?」
ブーーーーー
思わず吹いてしまう。
「ミッシェル?クローダスは雪降らないのか?」
「う~ん私が見たことないから降らない」
「カナは?」
「私の村も降らなかったよ~」
「そうか、まあ季節もそんなとこだし雪国に行ってみるか」
指針は決まった。そこで便利な…
(アラストール雪国ってどっちいきゃいいの)
「いま東に向かってるから左だな」
(よっしゃ)
「まてまて十路いくつか言っておく事がある」
(また禁忌増やすのなしな)
「当たり前だ!そんなことより、お前の女についてだが」
(見当はついてる、多分ミッシェルは魔法を使った事がない)
「そして、盗賊を見て不安定になっていた心が魔法に取り込まれた」
「そういや、お前も暴走してなかったか」
(あれなんでだっけ
確か、オーガの声が聞こえて身を委ねたらあんなことに)
「じゃあお前の女の場合も一緒だな」
(多分そうだ)
「だったらちゃんと使えるように訓練でもしておく事だ」
(確かに俺が居ない時はミッシェル頼りだもんな)
「後、娘の方も確認しておけ何が出るかわかったもんじゃない」
(そういえば)
「まあしっかりやれよったく、お似合いなのは仲だけにしといてくれ」
何故か愚痴を垂れる。
そんなこんなで行き先も決まったので…
「雪国に向けて出発だ!」
「「おー!」」
しかし、象なので遅い。
「十路他のないの?」
「ちょっと待ってな」
十路は馬に変わる召喚獣を想像する。
「召喚・麒麟」
中国に伝わる龍を召喚した。
「これなら速いんじゃねえかな」
「さすが十路」
結局一番ダメな空を飛ぶという手段になった。旅の風情の欠片もない。
「何もすることないな」
空を飛んでいるので本当に何もすることがない。
「じゃあ、あっちの世界の十路のこと教えてよ」
「あっちの世界か~思いでの欠片もないが…」
「いいからいいから」
「私も聞きたい」
カナまで言ってくる。
「しょうがないな」
ここからは十路の昔話。
百花十路は東京都のとある病院にて産まれる。
母親は数時間後に死んだという
その翌日、父親を事故で亡くし、孤児となった。
生後1ヶ月で孤児院に入り、転生するまでの17年をそこで過ごした。
十路は昔から怒ると鬼のようだったという、今思えばオーガが地球で顕現していたと思う。
学校に行くことになった十路は、入学式に来ている他の子の親を見て会場の壁を一面だけ蹴り破ったのだという。
ついたあだ名は破壊神、ものを破壊して回る様からその名がつき、誰も近づくものは居なかった。
一人を除いて…
名前は思い出すことが出来ないが、そいつが転校するまではずっと一緒だった。
そいつが居なくなると一人に戻った。
孤独だった、だからこそ今ある家族を最も大事にするのだろう。
中学に進学しても状況は変わらなかった、力を隠そうともしないので、やはり周りから避けられる。
あるものは
「頼むから学校に来るな」
と泣いて頼んできて
あるものは
「消えろ化け物!」
と罵り、社会から拒絶された。
そんな絶望生活は高二で幕を閉じる。
「外に出ないか?」
不意にそう聞こえた。
辺りは誰もいない、この時は幻聴だと切り捨てたが翌日、あの龍二体の喧嘩の真横に転生されたのだ。
「とまあこれが俺の生涯な」
こんな悲しいことを聞いてどうしていいのか分からず
ミッシェルは十路の手をそっと取る
「私は、ずっと一緒にいるから」
「俺もだ!」
この二人を見ると胸焼けがひどくなりそうなのは気のせいか
「ん?雪かじゃあもうすぐだなってあれか?」
恐ろしくデカイ街がある。
「雪国っていうより氷国なんだけど…」
十路の過去編です。
何もないので次回予告です。
十路「へっぷし!さぶっ!」
ミッシェル「次は雪国いや氷国だよ」
十路「表現が新しいな」
ミッシェル「今回は短いけどもういいよね」
十路「作者弄るの飽きたし」
作者「勝手に弄って飽きないでよ」




