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DARK  作者: 綾㮈詩音
1/2

第一章 GIRL (前編)

ここでは、主な登場人物などの紹介を致します。


・星菜葉月(ニックネーム、はーき)

15歳の少女。かなりの大食い。武器は紅黒い大鎌。

髪の長さはセミロング。


・海華里穂(ニックネーム、里穂)

15歳の少女。武器は銃。

髪の長さは横髪の長い若干ボブ。


・柳枝藍衣(ニックネーム、あいこ)

15歳の少女。武器はナイフとフォーク。

髪の長さはショート。


・ドール。

人の強い思いから出来た化け物。人を喰らう。





これはある女と男のお話。



女は男を愛していました。

しかし。男は女の愛に

耐えられなくなり、

死んでしまいました。悲しんだ女は、

男を愛し過ぎていたあまり、



狂ってしまいました。



叫び、泣き、醜く歪んで行きました。

女は、遂には人を殺すように

なりました。



女は人を殺す度に言うのです。



「愛していたのにッ愛していたのにッ愛していたのにッ愛していたのにッ愛していたのにッ!!!!!」


と。



************



・・・ねえ、どうして。

どうして、どうして私を、


捨てたの・・・?


私は、あなたのことを


愛していたのに。


ねえ、どうして?

私の何がいけなかったの?


いや、違う。私が悪いワケがないわ。

だって私はあなたのコトを


愛していたもの。


悪いのは、私じゃなく、


あなた。


ねえ、そうでしょう・・・?


ねえぇ?



**********



・・・ヒュッ 、 ザクッ・・・ッ

グチャァァァァッ


大鎌が、空を切り、ドールを

切り裂いた。


「ちょっと“ ハーキ ”そろそろアメ

食べるのやめたら?喉つまるよ?」


バンッ、バンッ、バンッ!!!

グシャッグシャッグシャッ


銃が鳴り、ドールを貫いた。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁあぁッ!!!」


ドールが、身体を切り裂かれる度

銃で撃たれる度に、


悲鳴を、あげた。


だが、二人は。


「いやー、今アメをあたしから

取り上げたらなにが残るっていうんだよー」

「いや、普通にハーキが残んでしょ」


などと、他愛ない会話をしながら、

「ドール」を、


壊す。


グシャッ・・・。


ザクッ。ブシャァァァァァァッ。


身体を貫かれ、切り裂れ、血が

噴き出す。


「・・・というかさ、なんで

こんなになっちゃったんだろぉねー」


葉月はため息まじりに言った。


「いやー、それあたしが聞きたい」


里穂は少し笑いながら

困ったなぁと呟いた。



それは4時間程前のコト。



「二人にさ、いって欲しいとこが

あるんだけど、いい?」


藍衣が大量のアメを持って

やってきた。


「あーうん。いいけど、どこ?」


里穂は藍衣に尋ねた。


「そのたっくさんあるアメくれたら

いいよー」


葉月はアメしか見ていない。


「あははッ。はいはい、いいよ。

このアメ全部あげるから、行って

くれる?」


藍衣は笑って葉月にアメを差し出す。


「やったぁッ!!!」


葉月は幼い子供の様に喜んだ。


「・・・で、結局とこさ、あたしら

どこに行ったらいいの?」


里穂は藍衣をみる。


「ああ、うん。地図用意しとくから

その地図通りに行ってくれる?

それと、里穂は、銃と弾多めに

持ってってね。ハーキは、まあ、うん。いいかな、多分。」


「りょーかーい」


里穂は返事をした。


「じゃあ、お願いね。‘‘目的’’は、

着いたらわかるから。気をつけてね」



そして、今に至る。



「・・・よし。もう帰ったらあれだ。

うん。あいこを」


「半殺しな☆」


二人は、そう心に決めた。


ドールのほとんどはもう片付けて

少しばかり余裕ができていた。


「・・・にしてもさー」


葉月が再び口を開く。


「あいこの言ってた‘‘目的’’って

なんなんだろぉね?

ドールを壊すって

だけじゃなさそぉだけど。」


「確かに。どぉなんだろ?まだわかんな」・・・





「ッいやぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁああぁぁぁッッ!!!!!」





「!?」「!?」


突然の悲鳴に、二人は、驚く。


「・・・今の、一体・・・」


里穂は硬直する。


「とにかく、行こうッ」


葉月は、悲鳴がした方へ走りだす。


「ちょっとッ」


里穂も後を追う。




**********




・・・そこにいたのは、




「ッ、あッ、あッ、ゔぁぁッ、ぁぁッあゔぁぁッ・・・」


右肩から腕がなく、呻き声をあげて

いる血だらけの女と、


「・・・・・・」


それをあざ笑うかのように見ている

女がいた。

女の手には、



血だらけの腕があった。



「・・・あいこが言ってたのって、

これかぁ」


葉月は、“いかにもつまらなさそうに”

呟いた。


「・・・・・・」


里穂はそれを黙って聞いていた。


「ッ、ねえ、どうして?」


ザッ。


女が、血だらけの女に一歩近ずく。



「や、やだッ!!!ご、ごない」


腕をもぎ取られた女は、逃げようと

した。しかし。



ドシャッ。



バランスを崩し、無様に顔から転けた。




「ねえ、どうして、どうしてぇぇ?」


「ッ!!!」


距離は無くなり、女は震えた。


「や、やめ・・・ッ」




ズシャッ。




「・・・あ、え、ゔぁぁぁ、ぁ、」


女は、抵抗も虚しく、あっけなく

首を刺された。首の肉に食い込んだ

刃物は、銀色に美しく光っていた。




ズシュッ。




女は、刃物を抜く。すると、




ブシャァァァァァァッ!!!




と、一気に首から血が噴き出た。


女は、刃物とともに、身体も血だらけ

になった。


「・・・どう、して・・・どうして?

私は、あなたを愛していたのに。

どうして、私を、捨てたの・・・?ねえどうして?・・・はは、あははッ

ねえどうして?ねえ教えてよぉぉ?ねえ、ねえ、ねえぇぇぇぇぇ?」


ズシャッズシャッズシャッ。

ブシュッ、ブシュッ、



ブシャァァァァァァァァッ。



女は、刃物で女を抉りだした。

その度に、肉が切れ、血が漏れ出し、

噴き出す。


狂っている。里穂はそう思った。


「・・・ねえ、里穂ぉ」


「なに?」


葉月が突然話しだしたので、

里穂は少し驚いた。


「“ これ ”どうすればいいワケ?」


葉月はため息をついた。


「どうすればって言われてもなー。

“止めなきゃ”駄目でしょ」


「あーやっぱりィ?」


二人は、女をみる。

女は、


「愛していたのに愛していたのに愛していたのにッ!!!

許せない、許せない許せない許せない許せない許せないッ!!!

・・・あは、はは、あははッ

あはははははははははははッ!!!」


女は嗤う。まるで狂ったように嗤う。


「あは、あはッ。あはははははッ。

愛していたのにィ、どうしてぇ?

どうして、“死んでしまったのぉ?”

ねえ、どうしてぇぇ?」


女は嗤う。狂ったように、嗤う。

まるで、いない人をいるかのように、

言う。

もう、ほとんど原型を留めていない肉と骨に問いかける。

どうして、どうして、と。

女は、涙を流し、嗤い、顔は歪みきっていて、醜くなっていた。



二人は、黙って見つめていた。



「・・・なんか、なぁ」


里穂が口を開く。


「うん」


「惨い、なぁ・・・」


「・・・うん」



里穂の言葉に対して、葉月は、

うん。としか言えなかった。



里穂は、楽にしてやろうと

銃を、握りしめる。しかし。


次の、瞬間・・・





**********






ある女ある男を愛していました。

しかし。男は女の愛に耐えられなくなり、

“自殺してしまいました”


悲しんだ女は、男を愛し過ぎていたあまり、

“狂ってしまいました”


叫び、泣き、遂には人を殺し、

そして、その肉を崩し、嗤う。


女は、人を殺す度に言うのです。


「愛していたのにッ愛していたのにッ愛していたのにッ愛していたのにッ愛していたのにッ!!!!!」


と、何度も何度も言うのです。




**********




ぶしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ。




女の口から出る“それは”

紅い固まる前の飴細工を連想させる。

綺麗過ぎて、吐き気すら覚える。



女は、舌を噛んだ。



「・・・は、は、はははッ。あはははははッ。最初、から、

“こうすれはこうすればよかった”。

これで、あなたのところに行ける・・・。わ、たしはねぇ、愛している、の

あな、たを・・・だ、から

わたし、が死んで、あなた、を殺すか、らぁ・・・は、ひひッ、はははッ

あははは、はは、は・・・は・・・」



そして、女は息絶えた。




辺りには、女の死体と、血と、肉と、骨が、あるだけだった。




コツ。コツ。コツ。


葉月が、女の死体に近づく。


「・・・嗤ってる。」


女の顔は、歪んでいた。狂気にかられていた。だが、

女は、


“笑っていた”


歪んで、歪んで、醜くなってしまった

女は、それでも


“嗤っていた”





「・・・ねえ、ハーキ・・・」


「・・・んー?」



「帰ろう、か。“もう、終わってしまったんだし”・・・」


「・・・・・」


あーあ。まただ。


葉月は、思った。

里穂は、優しいから、

きっと、辛いのだろうと。

きっと、悲しいのだろうと。


だから・・・


「・・・里穂。」


「ん?」


「・・・アメ、一個あげるから、

元気、だせって。」


葉月は、一つアメを差し出す。



「・・・はは、あははッ。ありがとう。ハーキ」


「ん」

葉月は、少し照れた。



「じゃあ、ひとまず帰ろうか」


「おー!!」





**********





ある女はある男を愛していました。

しかし。男は女の愛に耐えられなくなり、女に別れを告げました。

女は、悲しみました。悲しみのあまり

女は男を、

“殺すコトに決めました”


「私は、あなたを愛しているのに、

あなたは、もう、私を愛してくれないの?」


と、最後に男に聞きました。しかし。

男の気持ちは変わりません。

女は、男を屋上から、


“ 突き落としました。”


男の身体は、アスファルトに叩きつけられ、無惨にバラバラになってしまいました。


女は言うのです。


「・・・あなたが、いけないの・・・

あは、はははッ。あなたが、私を、

捨てたから。私も・・・。


あは、はは、は、ははははははははッ


ねえ、あなたは“何故死んでしまったのぉ?” ねえ?

あははッあはッ。

私のせいじゃない。私のせいじゃないわ!!あなたは“勝手に”私を、捨てたから死んだのよ!!私を置いて死んだのよ!!

・・・許せない。許せないッ許せないッ!!」


女は叫び、泣き、嗤う。

それはきっと、永遠に。

女が愛していた男がくるまでは。

女は、狂い続けるだろう。

男は、“どこに消えたのだろう”

だが、結局、







その声は、もう、


誰にも、聴こえない・・・









************

ここまでお読み頂きありがとうございます。

この噺の続きはすぐに仕上がると思います。

もしよろしければ、次も読んで頂けたらと思っています。

では、失礼致します。

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