じぃっっ
掲載日:2026/07/20
学生時代に同じクラスだった西岡君の話。
ある寝苦しい夏の夜、パンツ一枚でせんべい布団の上に仰向けで寝ていた西岡君は、ふと目を覚ました。
何やら腹の上に違和感があった。
寝ぼけ眼のまま頭を少しだけ持ち上げて見てみると、何と体長30センチ以上はある大ムカデが臍のあたりを横断している真っ最中だった。
「……!」
眠気も一気に吹き飛んだが、下手に動いて腹の真ん中なんぞ咬まれては命が無いかも、と息を殺してムカデが行ってしまうのをただ見つめているしかなかった。
と、その腹の上で、ムカデが西岡君の方を振り向いた。そのムカデの頭は
人間の女性の頭だった。
薄暗い常夜灯の明かりの下ではあったが、頭髪の無いつるりとした坊主頭の2センチ弱程の白い頭で、顔つきは女性であるのがわかったという。
それはつり上がった目でしばらくじいっと西岡君を見つめると、再びプイと前を向いて、西岡君の腹の上から下りて行った。
人面のムカデが少し離れた窓の下の畳の隙間に潜り込み出してから、西岡君が丸めた雑誌を片手に部屋の明かりを点けると
ムカデの身体の色は、他のムカデでは見た事の無い、真っ赤にオレンジとショッキングピンクが混じった様なけばけばしい色だった。
ムカデは西岡君が見ている前で畳の隙間の奥へと入り込み、姿を消した。




