第九話
### 小説:『すりかえられない物語 ―見えない呪詛と、消えない光―』
#### 第一章:陰湿な毒から、見えない「呪い」へ
大橋亜妃子の背後には、さらなる深淵が控えていた。姉の**大橋水妃**。彼女はプロの占い師という肩書きを持ちながら、その技術を妹と共に**櫛田茉莉子**を壊すために注ぎ込んでいた。
二人はかつて、茉莉子に対して「偽薬」を執拗に飲ませるという卑劣なイジメを繰り返していた。しかし、兄の**櫛田弘樹**によってその事実を暴かれ、法的な反撃を受けたことで、彼女たちの歪んだ自尊心は「逆ギレ」という形で爆発した [5, 会話履歴]。
「法律で縛れるのは物理的な世界だけよ。精神の檻までは、あの兄妹も手は出せないわ」
水妃は冷笑を浮かべ、プロの占い師としての知識を悪用し始めた。茉莉子の精神を磨り減らし、能力を減退させるための「呪詛」を、連日血道をあげて執り行ったのである。
#### 第二章:鬱という名の重圧
呪詛の影響か、あるいは長年にわたる永沢綾や亜妃子たちの「パクリ冤罪」という名の組織的な嫌がらせが蓄積した結果か。茉莉子の心はついに悲鳴を上げ、深い鬱状態に陥った [1, 会話履歴]。
四六時中、誰かに悪口を言われているような幻聴。書く文字すべてが「パクリではないか」と疑われているような強迫観念。茉莉子の執筆スピードは著しく落ち、ペンを握る手さえ震えるようになった [会話履歴]。
しかし、茉莉子は逃げなかった。彼女は自身の鬱病を公に告白し、読者に向けてこう宣言した。
「私はこの病から逃げるつもりはありません。鬱とうまく付き合いながら、それでも自分の物語を書き続けます」
その「ハキハキとした意志」と、病を公表してまで創作を続けようとする誠実さは、多くの読者の支持を集めた。だが、その光景こそが、加害者たちの狂気をさらに加速させた [会話履歴]。
#### 第三章:金に狂った神社と、拡がる祟り
「鬱病にしてやったのに、まだ書くのをやめないなんて……!」
激昂した水妃と亜妃子は、永沢綾を伴って近所の神社へと向かった。彼女たちは多額の「祈祷料」を積み上げ、今まで茉莉子についてついてきた数々の嘘――「パクリ常習犯である」「裏口入学をした」「自分たちをセクハラでいじめた」という荒唐無稽な話を吹き込んだ [会話履歴]。
その神社は、事実を調べもせず、大金に目をくらませて茉莉子への「呪い」を請け負った。スピリチュアルな力を用いた、物理的な証拠に残らない「祟り」の開始。それは法的手段を重んじる弘樹にとっても、非常に厄介な「見えない敵」との戦いとなった [5, 会話履歴]。
#### 第四章:般若の形相と、支える手
茉莉子は、常に背後に向けられる悪意に怯え、精神的な衰弱と戦いながらも、弘樹の献身的な支えによって机に向かい続けた。
「茉莉子、大丈夫だ。彼女たちの吐く嘘も呪いも、君がこれまで積み上げてきた本物の作品の輝きを消すことはできない」 [5, 会話履歴]
弘樹は目に見える証拠を保全しつつ、妹の心を壊そうとする見えない暴力から彼女を守り抜く決意を固めていた。
一方で、水妃と亜妃子の姿は、もはや人間のものではなかった。彼女たちは茉莉子を鬱病に追い込んだことを自分たちの「手柄」として誇り、さらに深い絶望へ叩き落とそうと、般若のような恐ろしい形相で呪詛の儀式を続けていた。
「もっと苦しめ。もっと絶望しろ。お前のネタも、お前の人生も、全部私たちのものになるまで……!」 [5, 会話履歴]
虚構の正義に酔いしれ、呪いという名の闇に堕ちていく姉妹。だが、どれほど邪悪な呪詛が渦巻こうとも、自分の病さえも物語の糧にしようとする櫛田茉莉子の「本物の創作」への光を、完全に消し去ることはできないのである。




