今日も彼氏に愛されてます。
(柏木視点)
(抱きたい、ったら拒否られるだろうなぁ…。)
人間とは欲深いものだ。
ようやくキスを許される様になった。
今はもうそれだけじゃ足りない。
男女であればすんなり行くことが中々に難しい。
デートしかり、ベッドの中しかり。
お互いゲイじゃなく、お互いだから好き。
アイツだから惹かれて恋して愛してる。
「なあ…神坂?」
「ん?」
「キスしてい?」
「…。チッ!」
顰めっ面で舌打ちされたけと、体をこっちに向けてくれたのでいそいそと傍により、その痩躯を抱き寄せ唇を重ねる。
舌を絡めれば漏れる声。
誰も知らない彼を自分だけが知っている。自分だから知れる。
(ああっ!このまま抱いちまいたいっ!)
*
(神坂視点)
必死に嫌そう顔を作ってはみたが、バレてないだろうか?
煩く鳴る鼓動を知られたら恥ずかしい。
クソっ頭がぼんやりしてきた。
初めて愛せた相手は男だった
キスはいい。なんら問題ない。
だがセックスとなればこの関係が終わった時、色々支障が出る。
身体はもちろん、心も。
そう簡単に人に興味を持たない自分が、また恋人という存在を得られる確率は無いに等しい。
なんせ興味を愛に変えたのはこいつの行動があったから。
絡みつく舌に、はまれる唇に、意識が散る。
(もう、いっそ、このまま抱かれてしまおうか?)
コイツを繋ぎ留められるなら、脚を開いてしまえるくらいには、惚れてしまっている。
ヤツの手が、服の中に侵入してきた。
指先が、背から腰をたどり…
「みさかっ」
苦しげに名を呼ばれ閉じていた目蓋を開けば、欲を孕んだ真剣なコイツの目に心臓が跳ねて(コイツを愛してる)のだとまた自覚した。
「柏木…愛してる。」
と囁けばゴクリと柏木の喉が鳴るのが聞こえた、瞬間強く抱きしめられた。
*
(柏木視点)
侵入した手に、怒られるのかと身構えたのにまさかの神坂からの愛の言葉に不覚にも泣きそうになった。
(やっと、言葉にしてくれた!)
思わぬ幸せに脳内で暴れまわっていたら、神坂が身動ぎした。
ギュッと引き寄せられる身体。
追い払われない未だに尻にある手。
これは、つまり…
(お許し!?〕
身体が緊張で硬くなる。
(えっ?マジで?いいの?)
もう片方の手を服の下に侵入させる。
抵抗なし。
赤くなった耳と首筋にキス。
ビクン!と身体を震わせるも反論なし。
(マジか!!えっ!?いいの?)
首筋や耳を舐めあげながら、心の中で盛大に慌てる。
「ンッ!」
普段とは違う、甘さのある声に欲がわく。
(やべぇ、かわいい!)
今日は準備もないから最後までは無理だが、恋人からのお誘いに乗らないなんてありえないだろ!
*
(神坂視点)
「俺なんかとして楽しいのかよ?」
「あ?好きなヤツに触れるんだから嬉しいに決まってるだろ?」
「っ!」
「お前のそんな声も表情も、独り占め出来る。」
「っ、おんなじモン、付いてんのにかよ?」
「分かりやすくていいんじゃね?手や口で良くすんのは大して違いわねぇだろ。」
「…」
「神坂?」
「なんだ?」
「ありがとな。」
「?」
「好きになってくれて、受け入れてくれてありがとう」
「…こっちこそ。俺なんかを好きになってくれて、サンキューな。」
「!もう、てめぇ、可愛すぎっ!」
またギュウギュウと抱きしめられた。
「は?ちょ、苦しっ!」
今日も彼氏に愛されてます。




