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ノルエアおとぎ王国記  作者: な(考え中)
【せかいのしょうかい】

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≪くすりがほしいな≫

 

≪くすりがほしいな≫


 俺たち3人はいま、おくすり屋にむかってノルエア城下町をあるいている。

 地図をもった俺に、おおきな黒い『えーせーのカバン』をかかえたピケ、片手でやりをもち空いたほうの手でりんごをもってたべているタイケが縦一列になってあるいている。

 タイケはよくりんごをたべている。どこからとりだしているのかはよくわからないが。


「──…このあたりから西エリアの第4地区だな。ここらへんはじゃっかん治安のよくないエリアとなっている。で、あのせんもんてんを右折する。……、きーてるか? ピケ。次いっしょに来られるかわからないから、説明しているんだが」

「キーてるよお! バスターくんは〝おーと〟にくわいいなー。

 バスターくん。はね。カイセツするとき。ソラを指してゆびをふっている。手を銃みたいにして。ね。よくしている。セつめイがすきだーからだー。そのしぐさがすきだ。ボクは! ね。似合っテいるやー。

 にしてもても。おーとは広くてまだまだなれないなー。まあまあまあ・いるのに。あまいっ! ボク・蛾だー。あっちょうちょだあ」

「─ピケ。あぶない」「ヤよっ!」


 黄色いちょうちょをみつけて予測不能な動きをしそうになったピケの後ろ襟をタイケがすかさず掴んだ。たべていたりんごを肩あたりからうしろにほおって。つぎの瞬間、目の前を馬車が走り去っていった。

 城下町は馬車もよく走っているので、気をつけるにこしたことはないだろう。


「ありがとう、タイケ。ピケ、だいじょうぶか?」

「──ドウなってる脳かな? あんなに早薬(※はやく)はしるトハ。

 ねっ。タイケくん。アリが10ぴきだあ。アリガトーぅっ! タイケくんはたよりになるなー。とってもてもだー。

 ところデ。バスターくん。じつはボクもいぜん血図をカクニンしながら。あるいたいたのだが。胴やらいつのまにかに。やばいところにま酔いこんでいた。よーダ。

 ナンと。やばいステキなお花畑ガっ!? ひろがっているデハ内科。きいおいちょうちょいっぱいに。診たことないお花ややくそうが咲キみただれている。ソラはね。朝と夜はんぶんずつダ。らくえんか。だいはっけんだー! だからだ。ちょうちょっとあそんでいたんだけどお。気がついたらえーせー室でねたいたのダ・蛾・ゆめデハナイっ! 命ビー(※めいびー)・かもしれないな~。

 なのデ。バスターくんも〝ぱとおーう〟していたら。どうよう・ニ。ちょうちょがとってもても舞っている。やばやばいお花畑にいける。ま酔いこむ。かもしれない。おーとにそおいうばしょがあったらいいなーたのしいなー。っ手。ボクはオモウ! いっつもつもだー。血図にはかいてないステキなばしょがどこかにあるかもしれないなーからだー。

 まあっ。とにかく! バスターくんについていったたら。おーとでは。ま酔わない。あんしんでキル。ってことサー!」

「『ああ。期待してほしい』」「…………」



 おくすり屋にいく──。

 といっても、だれかの具合がわるいわけではない。

 衛生部隊のピケは兵舎のそばにある栽培園で薬草や植物なんかをそだてている。ノルエア兵士隊の衛生部隊はおくすりをつくったりもするので、それにつかうためだ。

 で、そのそだてている薬草や果実などを城下町のおくすり屋におさめたりすることがあるのだとか。いまもそのためにおくすり屋に向かっている。それに俺とタイケがついてきた。


(ピケひとりじゃ、心配だからな。ちょっと方向オンチなところがあるし)


 おくすり屋にはおくすりの調合にひつような薬品や素材などもうっているので、それを買いにたびたび訪れるらしい。ピケは。おくすり屋に。

 というか衛生部隊がこの国のおくすり屋とは関連がふかく、城下町にあるさまざまなおくすり屋によくいっているらしい。


(まあ。衛生部隊はいろいろやってるみたいだからな)


「タイケくんのリンゴはここに埋めとくやー。ショチをカイシすル!!」


 ふとみるとピケはタイケのほおったりんごを道端に埋めていた。いつのまにかスコップを手にもっている。おそらく『えーせーのカバン』にいれてもってきていたのだろう。


(なんでもはいってるみたいだな。『えーせーのカバン』には。……ていうか。すこし目をはなすとこうして自由に行動しているから、心配なんだけど…)



 ◇


 さらにすこしあるいて、第4商店地区にきた。店があつまったエリアだ。ここのはそこまでおおきくないが、さまざまな店がならんでいる。


「このへんか」

「ヤヤっ! このお店だよおっ! アリガトーしょこら。バスターくん」


 目的地に着いたので、かりていた地図をピケに返した。


(まあ。地図なくてもだいたい、だいじょうぶなんだけどな。俺は。王都は)


「ヤよぉ~~っ!! 『脳えあ王国ヘイ肢体・えーせー部隊』のピケ・オランタンがたっ大麻とーちゃくしたやーー!!」


 ピケはおくすり屋のドアを開けはなち、意気軒昂と店内にはいっていった。


(かわいいな、ぴけは)


「俺たちもはいるか、タイケ」「……。…ああ」


 タイケに声をかけ、ピケの後につづいて一緒におくすり屋にはいった。



 ◇


 そんなに広くないおくすり屋の店内には、薬草やら薬品っぽいにおいが漂っていた。


(こういうふんいきは、あんまりとくいじゃないんだよな)


 俺は、けんこうなのでおくすり屋にはほとんどこない。こうしてついてきても店の中に入ることは、ほとんどない。

 よくみたことがないものがおおくて興味深かったので、ピケが店主と話したり『えーせーのカバン』からとりだした薬草をおさめたりしているあいだ、タイケと店内をみていた。


「(………)」


 けがを治すための道具ややくそう、薬品もあるが、やはりのみぐすりがおおい。鎮静薬・興奮薬・しびれ薬・なにやらかにやら……。

 だが、なんだか偏りがあるような気もする。



(睡眠薬、おおいな)



 睡眠薬はどこでもよく売っているらしく(俺はおくすり屋にはほとんどはいらないのでくわしくないのだが)まあ。でも、たしかにノルエアでは人気のあるおくすりでけっこうだれでもつかうな。よく。おそらく、どこの家庭でも標準的にそなえているものではないだろうか。常備薬ってやつか。異常はないな。


(…………。へー。あんなのがあるのか)


 『しあわせなゆめをみる薬』なんてのもある。

 すごいな。星の形みたいな、とくちょうてきなビンにはいっている。

 そして。さすがにそれは、高い。ねだんが。高すぎる。こんなものはかえない。やばいくらい高い。



(こんなのをかうためにはたらいたら、逆に過労でたおれてしまいそうだなあ)


(というか、はたらきすぎて、逆に精神をやられたりしてしまいそうだな)


(それをなおすためのおくすりが ひつようそうだな)



 ほんとに効果があるならいいかもしれないけど。

 いや、にしても高すぎるな。効果はどうなってるんだ、高価なだけに。…なんておもってみたり。

 ……というか、そんなおくすり、つくるの無理だろう。

 ……と。おもうけどな。……俺は。



(『しあわせなゆめをみる薬』か。どうなんだろう。

 すこしだけ、気になってしまうけど。……)



 でも確かめることはできないな。なにせ値段が高すぎるのだから。

 それに……。正直、おくすりはあまりすきじゃない。俺は。

 睡眠薬とか、ひつようなことがあるつらいこともあるとはおもうけど。いや、それはたしかにある。けど。

 だけど。……つかわないにこしたことはない、っていうか。

 なんかちょっと、苦手かな。こう。雰囲気とかが、しんこくっていうのか。暗いっていうか。けんこうだからなのかな。


(──というか。俺、おくすりは─……)



「おまたせ~ぅっ!! バスターくーーん、タイケくぅ~~ーんっ!」



 そんなに広くない店内なのにまるではるかとおくからかけてくるかのようにいう。ピケは。

 ひととおり用が済んだようなので、3人でおくすり屋をでた。



 ◇


「……ふー。息がつまるなあ、やっぱりおくすり屋はにがてだ。よくだいじょうぶだな。ピケは」

「へいきだよお! ボクはね。おくすりがすきだーからだー。もっと頭っと(※ずっと)おうすりのことを。かんがえて遺体。

 だからだ。けんきゅーするのーーサー! えーせー部隊はたのしいヨォ。やくそうをそだてる。おくすりをつくる。サマザマなジッケン・ちょーごー・チョーサしている!

 そしテ。さいばい園で。やくそうに水をあげていると。ね。ちょうちょやイモムシが。やってきて。観察。みまもっている。ヨ。

 みーーんな診ているヨぉ~~~っ! 葉っぱをかんさつ。カクニンして。くるくるって。おどりだす。どうようをうたう。はっぱがせ胃腸スル! と。おうちになるからだーからだー。さなぎも舞っテル。みんなでまっちゃうヨォ。

 みーーんなまってるヨォ~~! くもがふわふわ。星がキらキら。みんなくるくる。いきいきしている。色イロイロの・たのしい世界・ダ。でもヤっぱり〝きいお〟がイーとおもうっ! みんなでいるとたのしいやー。兵!(※ヘイ!)

 食べられるおう血。か。いいなー。お仮死のイエか。デハ・あまいのがいーはず。みんなまってル。ボクも。はりキっている! だからだ。やった。蛾・なにやらやばい葉っぱができたらしいー。なんダー?

 トコロデ。薬ッパリ。バスターくん。はね。おくすりがにがてなよーダ。あいかわらず。けんこーだからかーからだー。

 シ仮死! コレマデ。はね。た胃腸がわるくなることはなかった。ガ・今後わるくなることもある。かもしれない。あららだ。だからだからだ。コレカラ。そのときは。ボクが。ね。診てあげるヨォ。ヤゥ!

 いーーーーっつも診ているヨォ~~~~~っ!! ふたりのことを。もちおん。タイケくんのことも。ねっ。

 バスターくん。サア! びょーきになったら〝癒す〟か〝脳〟(※イエスかノー)カ?

 キまっていル! コタエは──〝癒す〟ダっ!! ボクのせんたく、わかってくれたかー!」

「『なるほどな』」「…………」



 ピケの話し方や言動はかなりとくちょうてきで、こどもっぽくてめちゃくちゃ目立っており、大変よくしゃべりときどきよくわからない内容のことをいい(かわいいが)、さらにはやばいくらいちいさいので、そんなだとわるいやつに目をつけられたりなにかいやなことされてしまうんじゃないか、とおもいそうなものなのだが。


 じつは。ピケは衛生部隊でひつような能力がぜんたいてきに高いらしく、特に薬草のことは周りのやつの知らないことも詳しかったりするので、部隊内でかなり頼られているようだ。

 今日おくすり屋にきていたのだって、かれの育てている薬草がいままでだれもみたこともないくらい立派で、成長もはやく、さまざまな効能が期待できそう──ていうかもはや新種か? なんだこれは。どうなってるのだ。みたいなすごい葉っぱだったらしく、どうしてもわけてほしいと各所からたのまれたので、こうしてさまざまなところに分納しているのだとか。

 どうも植物を育てるのがうまいらしい。周囲にもおどろかれて、さいきんはさらに重宝されているようだ。

 ……そうきくと、なんだか安心──しそうだけれど。やっぱり。俺は心配だ。こいつのことは。



(まあ。もし体調がわるくなったらピケにみてもらうか。おくすりはいらないけど)



 なんにしても、こういうところでおくすりを買うことはないだろう、俺は。

 けんこうだしな。



(それに──…)



「ハっ。ねえっ! バスターくん。タイケくん。ボク。はね。センジツはっけんして。3人で遺っ書にいきたいや~って。とーーってもても気になっていた。お店があるっ!

 だからだ。いこ~~ぅっ! 早薬(※はやく)っ! いま・からだっ! ヤいっ! あよーーーーうっ」

「まてよ、ピケ。……なあ、バスター。いこう。ピケがいってしまう」



(……。こいつのことをちかくでみていたら、おくすりとかいらないような気がする。な)





        ────≪くすりがほしいな≫おしまい────

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