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ノルエアおとぎ王国記  作者: な(考え中)
『ふたつのくちぐせ』

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12/12

【俺のくちぐせ】


【俺のくちぐせ】



『なるほどな』


『期待してほしい』



 これは 俺の、くちぐせ。だ。



「…………」



 ──いや。

 くちぐせ。……というか。

 正確にいうと──



『つくった』くちぐせだ。



 俺が。

 自分で、じぶんに。

“俺はこれをくちぐせにする”と、きめた。



「(……。じぶんでつくったのを『くちぐせ』っていうのも、なんかへんなんだけど……)」



 でも。これには理由がある。



 ──俺はなるべく〈動揺〉をしたくない。



「なぜ動揺したくないか」……は、いまはおいておく、が。

(だれにでもいいたくないことのひとつやふたつはあるからな。そうだな)


 とくに。

〝ひとからいわれたことば〟で、動揺をしたくない。


 なので、この『ふたつのくちぐせ』を常にそなえているのだ。


 いつでも反射的に、撃てるように──。




 ==「なるほどな」==  ==「期待してほしい」== 



 ◇


 さきほどもタイケがなにかをいってきたが動揺しそうな内容の気がしたので、まずそうか。と、とっさにおもい、これで返してことなきをえた。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



()() バスター」

「──…。なんだ」



 == 〈ふたつの くちぐせを かまえる〉 ==



「どうせいどう──(タイケ・なにかいってるがよくきこえない・よくきこえない・よくきこえない・よくきこえなよくよくよくよくよくきこえな)──いだとおもう」




(──こっちだな)




 ==「なるほどな」==



 ◇


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 あまりよくわからない状況・返答にこまる言葉がでたとき……および。でそうなときに、いえるようにしている。

 一瞬でやる。もうなれてる。条件反射みたいにできるようになった。


 以前は動揺することがよくあった。

 で。何が動揺の原因なのかと考えたとき「人からいわれたことばを真っ向から真面目にうけとめすぎていること」なんじゃないかとおもい、かんがえて、このふたつのくちぐせをつくって、これをつかうと、きめた。

 相手のいう内容を真剣に、深刻にうけとらないですむ。なんとなくきいて、なんとなくで返せる。

 よさげで、かつ〝これでおわり〟といったかんじの反応のようなもの。

 これをするようになってからは動揺することもそんなになくなった。


 いわれたことばをいちいち真剣にうけとめなくてもいいのかもしれないんだけど、あたまがかたいのか、どうしても意味とか深く考えてしまいがちで、それが動揺のおおきな原因になっている。とおもったのだ。

 なので、深くかんがえないですむ相づち・返答──そういう「くちぐせ」があったらいいとおもった。

 どちらでいくかは、あいてのいっている雰囲気とか、語尾とか、きこえてくる音の感じで判断することがおおい。



(……。ちゃんとじぶんでかんがえておらず、相手にわるいかもしれないけど……)



 それだけ〈動揺〉したくないのである。俺は。

 ふせぎたいことなのだ、ほんとに。

 だから。

 なので──。



 ──これはよくわからないかもしれない。返事に困るかもしれない──


 と、予感したら、瞬時にかまえる。


 このふたつの くちぐせを──。



 ◇


 じっさいに口に出さなくても大丈夫だ。

 こころのなかでいうだけでも動揺をふせぐ効果がある。俺にとっては。

 このまえも城下町のパトロール中、号泣している酔っ払いにからまれ胸ぐらをつかまれたが───。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 == 〈ふたつの くちぐせを かまえる〉 ==



『9さいの王女しかいないなんて これからこの国はどうなるんだ!』



(──こっちだな)




 ==『(期待してほしい)』==




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ……てなかんじで。

 『こころのなかでいう』だけでもいいのである。俺にとってはな。

 ちょっとゆびの銃で撃ってる、みたいな心境だ。こころのなかでは。

 こうすれば動揺はふせげる。

 そしてまあ、兵士はいちおう戦闘訓練も受けているので、こういうのは大丈夫だ。そのあとはおちつくまでとりおさえていたんだけど。




(9さいのおうじょには きたいしかできないだろう。それはもう。まちがいがない)



(なにをしんぱいしているんだ。そうだ。のるえあはきょうもへいわだ)



(いじょうは「ないん」だ。『9さい』だけに。な)



 ◇


 俺はこれをじぶんのなかで『反射』ってよんでいる。

(ちょっと。かっこいい。と、おもうからだ)

 やっぱり、銃で 撃つかんじ。だな。はんのーしゃげき、ってかんじだ。

(〝二丁拳銃〟ってやつだな。うーん。かっこいい)



「…………」



 とにかく、なにかあっても。

 このふたつの「くちぐせ」で返せるなら、俺は動揺しない。

 じぶんで決めた。じぶん自身をまもってもらえる標準装備、みたいなものかな。

 ……きゅうにくるとなかなか反射神経がためされるけどな。



(……。さっきのタイケみたいなこともあるから。な……)




「…………」




(どうして、そこまで〈動揺〉したくないのかは…………。おいておく)






 ────【俺のくちぐせ】おしまい────





25/08/14

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