表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

石ころスターター:その1

注・この作品には文法や語彙力がおかしくなっている場面があるかもしれません、温かい目で見守ってください。

石ころを拾ってみた。

久しぶりに外出した時だった。

どうしてかは分からない、だが妙にその石ころに興味が湧いたのだ。何も変わらないこの引きこもり生活がなにか変わるかも、楽しくなるかもというよくわからない希望をもとにその石を拾った

昔、父から落ちているものを拾うと罰が当たると言われたことがあるが、この石には罰が当たっても拾う価値があるような気がした。


終わった。

コレ拾っちゃダメなヤツだった。

拾い上げた石ころが突然虹色に輝き出した。

投げ捨てようと思ったが、手から離れなかった。

玩具の弓矢の何十倍もの粘着力があると思う、ダメ元で近くにあった鉄棒に擦りつけたが、人差し指の皮膚が引っ張られて痛いだけだった。

石ころの光が輝きの頂に達したとき、俺はもうダメだと目を瞑った。


目を開けると、そこは真っ暗闇だった。

思わず目を閉じていると錯覚するほどに何も見えなかった。

左右を見渡すが、何もなかった。上も後ろも下もただの闇だ。

「うおぉぉおぉぉぉおおおぉぉおおい!!!」

突然の出来事で訳もわからず叫ぶ、返事が返ってくることを祈って。

「ようこそ、勇者様。そしてお帰りなさい」

目の前が光り、椅子に座った女の子が現れた。

黄色のネックレス、黄色の髪、黄色のスカート、おまけにたんぽぽのような花のネックレス。全身黄色の少女だ。

「そっ!そこに誰かいるんですかっ!?」

嬉々として手足をジタバタさせる。

「あなたがアンガーを倒して地球に帰還した後、残党が新たな闇の王をたてようと…ってアレ?あなた…勇者様で合っていますよね?」

「い、いえ…違いますけど」

「へ?」

何を言っているんだこの子。アンガー?闇の王?

「いや違いますよ、俺の知り合いのような口ぶりでしたけど、俺はアンガーなんてヤツ知らないし勇者でもないんですけれども」

訳のわからない状況で、訳のわからないことを言われると落ち着くという現象をこの身で体感した。

「ところで、あなたは誰ですか…?」

俺は極々当たり前の質問をした。

「なーんだ、勇者様じゃないのかぁ…ゴメンね、転送する人間を間違えてしまったわ。」

転送?何訳わかんねえこと言ってんだコイツ、ファンタジーとかで出てくるテレポートの魔法でも使えるって言うのか?

「私は神、ライス。君が住んでるとことは違う世界の神だよ。」

え?神様なの?この子。どうしよう、超次元的存在に出会ってしまったぞ。

「それからさ、ここに来る時に妙に光った石に触らなかったかい?」

光る石…?そうだ、俺は虹色に光る石に触れてここに来たんだ。

「あー…その顔は、あの石に触ったんだね…」

やっぱりアレ触っちゃダメなヤツだったのか…

「話すと長くなるんだけどね、私は頼りになる知り合いを連れてくるためにあの石を地球に落としたの。」

あの石は意図的に落とされていた特別なモノだったのか。

「宇宙っていうのは無数にあって、そのうちの1つがとんでもない危機に晒されているの、だからその人を呼び戻して危機をなんとかしたかったんだけど…ホント、ゴメンね」

なるほど、大体わかった。

つまり異世界がピンチで、地球に住む頼りになる人を呼び戻すためにあの虹色の石が転がっていた。それを俺が拾ってしまったことで勘違いでここに連れてこられたのか。

何にせよ間違いだったんだ、さっさと元の世界に返してもらお......う?


本当にそれでいいのか?


今までの生活を振り返ろう。

俺の名前は空耶 五太郎。

現在高校2年生、不登校である。

母や父にも冷たい目で見られ、小学生の弟は毎日楽しそうに学校に通っている。

高校では俺は居ないものとして扱われ、久しぶりに登校した時には俺の机はほぼ使われない美術室にしまってあった。


これ、生きてる意味ないよなあ…

どうせこのまま干物みたいな生活送ってもな…

そもそもあの石を拾った理由はなんだっけ…

この引きこもり生活を変えたい、楽しいことをしたい…

!!!


少し考えた後、俺はその女神にこう言った。

「その異世界の危機の詳細を教えてください!」

「え?そうね…まず世界を支配しようと企む闇の王ってのが居るのよ。このままだとその闇の王の思いのままの世界になっちゃうの、その闇の王を倒して世界に平和を取り戻…」

「オーケーだ!!!」

遮るように思わず大きな声が出た、だが俺は構わず続ける。

「闇の王、俺が退治しましょう!」

「なんてすって…バカかあんた、バカなんじゃないのあんた。闇の王がどれだけヤバいか知ってるの?まず12人の幹部が居てそいつらを倒さなけ…」

「よく分からんがオーケーだ!!!」

異世界転移!夢の塊じゃないか!

俺はこの干物のような人間の皮を脱ぎ捨てて異世界で英雄になるぞっ!!

「お、おお!よく分からないけど、凄い度胸ねあなた!分かりました。危険ですが、その勇気と覚悟に応えてあなたを異世界に転送しましょう!」

そのとき、俺のがいる地面に魔法陣らしきものが出現する。カッコイイ!俺もこんなのが使えるようになるのかなあ…

「では、幸運を祈っています!」



…ここは…

ハッ!そうだ、俺は異世界に来たんだ。闇の王とやらを退治して、この世界に平和を取り戻すために!

…ところでここはどこだ?

辺りを見渡すと、そこには広大な草原が広がっていた。

「おお…」と思わず声が出る、本当にまっさらな草原だ。

動物はいない、人も居ない、家も建っていない、木は一本たりとも生えちゃいない

・・・え?

ここ草以外何もないぞ…

俺はどこに行けばいいんだ?

これから何をすればいいんだ?

勢いだけでここに来ちまったぞ?


やっちまったあああああああ!!!

次回は仲間を見つけると思います

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ