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出会い

あれから数十分経っただろうか。

エレンはふと我にかえると、グースの持っていたショートボウを奪い取った。

エレン「グース、お前の分までのし上がってやるぜ」

そう言うと、エレンはその場から去っていった。


エレンは特に目的もなく、川まで歩いていた。

エレン「ここがグースに襲われた場所だったな・・・」

川にたどり着いたエレンは独り言のようにつぶやいた。

エレン「ここから上流に行くと何があるんだろう・・・」

エレンは何となく上流へと足を進めていた。


1時間後、エレンは「ルーリエール城」に到着していた。

ルーリエール城も門が開けており、自由に行き来することができた。


ルーリエールの城下町はかなり発展したところだった。

「冒険者登録なら、ぜひここで!」

そんな看板がエレンの目に飛び込んできた。お金が稼げるらしいことも書いてあった。

エレンはさっそく冒険者ギルドに入るとカウンターにいる人に話しかけた。

エレン「冒険者になりたいんですが」

受付嬢「はいはい。どこのクランの方ですか?」

エレン「クラン?」

エレンは初めて聞く単語であった。

受付嬢「はいクランです。もしかして所属していないとか?」

エレン「あ、はい」

受付嬢「それは困りましたね。基本は城外活動の依頼なので一人では・・・」

エレン「大丈夫です。一人で旅していますから」

受付嬢「・・・そうですか」

受付嬢は怪しい人を見るかのような顔でこちらを見た。

受付嬢「まぁいいでしょう。こちらに記入をお願いします」

エレンは申し込み用紙に記入した。

受付嬢「ではこれが登録証です。最初はFランク冒険者になります」

エレン「これでできる依頼は?」

受付嬢「そうですね・・・あ、これがいいかも」

そう言って取り出したのはダンジョン攻略の依頼だった。

受付嬢「このダンジョンは少し変わっていて、1人しか入れないという入場制限があるんです」

エレン「へぇ。それをもらおう」

受付嬢「はい。少々お待ちください」

そういうと受付嬢はエレンに地図と依頼内容の書かれた紙を渡した。

受付嬢「では、ダンジョン内の地図を詳細に書いて戻ってきてください」

エレンは城外に出てダンジョンを目指した。


・・・数時間後


エレン「ここだな!」

エレンはダンジョンを見つけると中に入っていった。

エレンは地図を書きながら進んで行った。

ダンジョン内にはモンスターがいたが、それほど強い相手ではなかった。

エレンはショートボウを取り出すと、遠距離攻撃で相手を倒していった。

モンスターと戦っていくと、<瞬足スキル>と弓の相性が良いことが分かってきた。

エレン「なるほど、瞬足スキルでバックステップを踏んで弓を撃つといいな」

そもそも弓を使うつもりはなかったので当然のことではあったが、

エレンは<瞬矢スキル>を取らなかったことを後悔していた。


そうこうするうちに、エレンは最下層までたどり着いていた。

エレン「ここで終わりか」

そう言ってエレンが部屋に入ると、奥にモンスターがいた。

今までの相手とは格段にオーラの違うモンスターだった。


モンスター「よくきたな」

エレンは驚いた。会話のできるモンスターなんて聞いたことがなかったからだ。

エレン「・・・何者だ?・・・なぜ喋れる?」

グレーモン「俺様はグレーモンだ。人間から<翻訳スキル>をいただいたからさ」

エレン「人間を・・・殺したのか・・・」

グレーモン「おいおい、お前だって殺したんだろう?」

その言葉を聞いたエレンの脳裏に、今まで殺してきた人間達が走馬灯のように駆け巡った。


グレーモン「ここに来たってことは群れてないってことだな」

エレン「だったら何だ・・・」

グレーモン「つまりだ、人間に裏切られてきたってことだろ?」

エレンは図星を突かれて何も言い返せなかった。

グレーモン「人間は卑怯な生き物だからな。それに比べてモンスターの世界は上下関係はあっても裏切りはないぜ」

エレン「・・・・」

グレーモン「どうだ、こちらの世界に来ないか?」

エレン「・・・どういう意味だ」

グレーモン「俺たちはスキルを持っていないことから人間達に下等生物だと決めつけられ、仲間もどんどん殺されていった」

エレン「・・・・」

グレーモン「奴らは俺たちを根絶しようとしている。だから奴らを倒すのに力を貸してほしい」

エレン「・・・・分かった。具体的には何をすればいい?」

グレーモン「今のままではダメだ。スキルを増やしてもっと強くなれ。これをやろう」

そう言うとグレーモンは、闇のマントを手渡した。

グレーモン「これは我々の仲間の証だ」

エレン「お前の全てを信じた訳ではない。力を貸すかどうかはゆっくり判断してやる」

グレーモン「もちろんだ」

エレンは手渡されたマントをつけ、ダンジョンを後にした。


グレーモン「ふふふ・・・あいつには邪悪な心が隠れている。今後が楽しみだ・・・」


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