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闇への第一歩

エレンが気づいた時には、河口にある三角州と呼ばれる場所に打ち上げられていた。

あれからどれだけ経ったのだろうか。辺りは真っ暗だった。

運よく誰にも見つからなかったようだ。傷口からの出血も止まっていた。


エレン「く・・・くそぉ!」

エレンは裏切られた絶望感と一人になった孤独感に打ちひしがれていた。


エレン「僕が・・・」

エレン「いや、俺が何したってんだよ・・・・弱肉強食か、やってやるよ!」

エレンは一人暗闇の中で叫んでいた。


次の日、エレンは食料を求めた。

海の近くだったので魚を獲ろうとしたが近くまで寄って行ってもすぐに逃げられた。

だが、貝や海藻を手にいれることができ、空腹を凌ぐことはできたのだった。


エレンは考え事をしながら独り言を言い出した。

エレン「なんとか食料と水は確保できたな」

エレン「グースの能力は瞬速矢か」

エレン「俺の能力も多分バレているだろうし、姿を消しても近付く前に撃たれるだろうな」

エレン「・・・・」

エレン「もっと強い能力が欲しい!!強い能力だ!!」

エレン「だがその前に武器が必要だな」

エレン「よし」

エレンは海沿いを西に向かって歩き出した。


2日後、エレンは「フィルツ王国」に辿り着いた。

「フィルツ王国」は東・西・北に門があり、南は岸壁となっていた。

国の多くは防御壁が施されており、その中では他人からダメージを受けることはないため平和な世界が広がっている。「フィルツ王国」もそんな国の1つであった。そのため、犯罪者でなければ他国の人間であっても素通りできた。


エレン「ここがフィルツ王国か」

エレンは武器屋を探した。20分後、武器屋を見つけた。

主人「いらっしゃい」

エレンはいくつか武器を見て回った。1本の武器が目にとまった。

主人「ロングソードだね。にいちゃん駆け出しかい?初めての武器としてはいいんじゃないかな」

値札を見ると200ゴールドと書いてある。だがエレンにはお金なんてなかった。


主人「いらっしゃい」

客「頼んでたものはできてるか?」

主人「もちろん。少々お待ちを」

そういうと武器屋の主人は奥の部屋に入って行った。


エレンの心臓音が高鳴り出した。

エレンはうつむいたまま、一歩一歩ゆっくりと段々早くなるように歩き出し、店の外に出た。

緊張で足と手が同時に出ていたのにも気付かないほどであった。

エレンの手にはロングソードが握られていた。

エレン「やってしまった・・・」

これがエレンが初めて闇に堕ちた瞬間であった。


エレンは平常心をなんとか保ちながら西門から「フィルツ王国」を後にした。

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