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奴隷生活最終日

新西暦10年3月23日。

僕の15歳は終わりを迎える。

奴隷生活は最高だ。

寝床はあるし、ご飯も食べられる。

なんてったって生きていられる。

楽しいことも嬉しいこともないけれど、生きていられることがどれだけ大切なことか。


16歳が何を意味しているかは知っている。

未来は決まっている。ここまで一緒に過ごしていた仲間ともお別れだ。

ついにこの生活から解放される日がやってきた。

いやだ。ここにいたい。

奴隷でもなんでもいい。ここにいたいんだ。


スキルを覚える人間は祝福された存在なのか?

スキルがあることで人間は醜くなっていくんだ。

スキルなんてチートのような存在があるから

この世の中は狂ってしまっているんだ。

スキルなんていらない。

スキルなんていらない。

スキルなんて。。。いらない。

スキルなんて消えてしまえばいいんだ。


エレンの心は日に日にこんな思いで満たされていった。



・・・そしてエレンが16歳になった日・・・・



???「起きろ!エレン!」


エレンは目覚めると、目の前に一人の男が立っていた。

奴隷主の「ガイヤ」だった。

ボロ切れの上に寝ていたはずのエレンの手足は鎖で繋がれ、魔法封じの印が施された魔法陣が足元に広がっていた。


ガイヤ「さて・・・お前のスキルは何だった?」

エレンは16歳になったため、神からスキルを与えられたのだった。

人間は16歳になった瞬間、自分のスキルをなぜか夢の中で理解することができるのであった。

エレンのスキルは<隠匿スキル>といって姿を消すことができるスキルであった。

ただ覚えたてのスキルは数秒しか効果がないことも分かっていた。


ガイヤ「さぁ、答えるんだ!」

ガイヤは「スキル食い」と呼ばれ、子供の奴隷を安値で買い、

16歳になった奴隷を狩ることでスキルを取得していくゲスな人間だった。


エレン「・・・」

エレンは黙っていた。

言えば殺されるのは分かっていた。

だが、言わなくても殺される。拒否しても殺される。

何をしても殺されることが分かっていたが、少しばかりの抵抗であった。


ガイヤ「まぁいいや、殺してしまえば分かることだ」

そういうとガイヤは近付いてきた。


一歩、二歩・・・そしてガイヤはエレンの目の前に立った。

エレン「・・・(隠匿!)」

その時、エレンはとっさにスキルを使った。

昨日までは嫌っていたスキルを、自分のために使ったのだった。


ガイヤ「なに!!消えた・・・?」

ガイヤ「転移魔法か!?・・・いや、魔法なら封じているはずだ・・・」

そう考えたガイヤは足元の魔法陣を確認した。魔法封じの印は確かに施されていた。

ガイヤは困惑した表情を見せながらまわりをキョロキョロしだした。

ガイヤが周りに気を取られた瞬間、エレンはガイヤの腰から剣を抜き取った。

ガイヤは剣が抜かれた感覚があり、腰のあたりをみたが、エレンの一部となった剣をガイヤが見ることは出来ない。

エレンはガイヤの喉元を目掛けて力一杯貫いた。

ガイヤは防御することも出来ずに剣を突き刺されることしか出来なかった。


ガイヤ「ぐっ・・・な・・・んだと!?」

ガイヤは自分の身に起きたことが理解できないまま言葉を発した。

その直後、ガイヤは倒れて動かなくなった。


エレンはガイヤを倒した。

この世界では、人間を倒すとその人が持っているスキルを1つ取得する権利を得ることができた。

ガイヤはいくつものスキルを持っていたが、

覚えたてのスキルを奪っていたことからスキルランクは初歩のものばかりであった。

エレンは鎖で繋がれた手足を自由にすべく、<解除スキル>をガイヤから入手した。


エレンはすぐさま<解除スキル>を使うと、エレンを繋いでいた鎖の錠が外れ、自由を取り戻すことに成功した。

エレン「終わった・・・」

ガイヤを倒したことにより、エレンや他の奴隷達は自由になったのだった。


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