アトランティス魔導騎士育成学園3
金髪サラサラヘアーの高貴なキャラ。
魔法学園物ではレギュラー確定。
「アルセウス・ジャスホープ、得意武器は槍。ギルドランクはD、宜しく」
九割が学園長挨拶で行われた入学式を終え、ケヴィン達生徒一同は自分達に宛がわれた教室に集まり、それぞれ自己紹介を行っていた。
教室には先程同じ列に居た30人の生徒達が集まり、それを担当する一人のエルフの担任を含めた31人が、このクラスを形成する人数である。
「サージュ・ミニストルです。得意属性は土で、ギルドランクはD。宜しくお願いします」
次々と席を立ち、人間、エルフ入り乱れての紹介をケヴィンはほぼ聞き流していく。
「アドレット・フルーズだよぉ! ギルドランクはCでぇ、得意武器は細剣! よろちくぅ」
興味が有るのは入学式の時に目を付けた二名だけであり、それ以外には目配せすらしない。
担任教師である『ルイス・ジュディーツィオ』の指示で、生徒達は次々に自己紹介を進めていく。
淡々と流れていく自己紹介であったが、一人の人物によって教室の空気が変わる。
不思議に思ったケヴィンは視線を教室の前に向け、教卓に立つ一人の男子生徒へ注目する。
綺麗に生えそろえた金色の髪を顎先まで伸ばし、大きな目と小さな口元は微笑みを浮かべている。
高い鼻も目立つ物の、男性にしては聊か女性らしさがある様にも見える。
あのつまらない入学式の間、長身の男達と同じく引き締まった表情を浮かべていた者の一人だ。
身長160程の小柄な体系のその男性生徒は、名を語る。
「エドワード・『カルミン・アトランティス』、得意武器は細剣。ギルドランクは『B』です」
彼の言葉に、クラスメイト一同が声を上げる。
「流石エドワード『殿下』……」
「御年でギルドランクB……」
「やはり、次なる国王はエドワード様で決まりか?」
口々にエドワードを褒め称える言葉。
ケヴィンはこのざわつきの原因が彼に有る事を認識し、そしてその理由にも納得いく。
そう、彼はあの『ミリアルド』の弟であり、このアトランティスの第二王子なのだ。
王位継承権第二位ではあるが、近頃の世論は次期国王はエドワードだと言う風潮が流れている。
あくまで噂だが、長年に渡るミリアルドの我儘加減にはほとほと呆れていた現アトランティス国王は、なんとかして王位をエドワードに継がせたいと模索しており、しかし中々その切っ掛けが訪れない様子だとのこと。
国の上層部が皆首を縦に振らねば、それを認める事は出来ないのだろう。
王だからと言って何事も自由に決める事が出来ないのが、この世の摂理と言う物だ。
その中で一つの噂が国内に広まった。
ミリアルドが大失態を起こしたと言う事件だ。
巷に出回っている噂は、事実を元に少しの尾ヒレが付いて出回っている。
何でも卑劣な罠を仕掛け混血種を決闘の場へ誘い出し、自らのフィアンセである人物を商品に掲げる事で、相手の恋人を要求。
その上で勝負を仕掛け、一歩も動く事無くただの一撃で敗北。
挙句の果て惨めに土下座をかまし、命乞いまでもしたと言う。
これを機にエドワード一派が動き出し、エドワードを国王に押し上げようと言う動きが水面下で行われていると言う話だ。
どれもこれも全て噂段階であり、そもそもそれが事実ならばミリアルドがあそこまで横暴な態度を取れる筈も無いとケヴィンは思う。
しかしまぁ、噂と言う物はここまでねじ曲がるのかと件の発端となった本人は鼻で笑っていた。
「諸君に言わせてもらいたい事がある。私が王位継承権を持つ者だからと言って、扱いを特別変えろ等と言うふざけた事は言わない。寧ろ、私を一人の人間として、ただのエドワードとして扱っていただきたい。皆同じクラスメイトで有り仲間であり友人だと私は……いや、僕は思っている」
話の途中で一人称を変えたエドワード。
相手に求めるよりも先に、自分の態度を改めようと言う心意気なのだろうか。
「だから、同じ感情を、同じ立場としての扱いを皆に求めたい。ここは学園だ……一つの教室に集まっている以上、王族も貴族も、長老家も一般市民も、人間もエルフも……混血種も関係無い。だから……宜しくお願いします」
そう言ってエドワードは深々と頭を下げる。
王族の者が、自分より位の低い者達に頭を下げる事等ありえない、ミリアルド曰くあってはならない。
そんな常識を、言葉と行動でエドワードはぶち壊した。
「……へぇ」
ケヴィンは感心する。
あの兄の下に、まさかこれほど出来た弟が居たとは驚きだ。
こんな人物ならばいずれ本当に……兄を差し置いてエドワードが国王となる日が来るかも知れない。
ケヴィンはそう言った感想を思い浮かべたのだった。
教室中に拍手喝采が鳴り響き、エドワードはそれに連れられて席に戻る。
気のせいか、彼が席に座る瞬間、ケヴィンへ目配せがあった様に見える。
もしかすると、兄との執着が産まれているかもしれないと言う考えもまた、捨てきる事は出来なかった。
「……デュラン・メギストンだ」
順当に自己紹介が流れた後、低い声が教室に鳴り響く。
ケヴィンは途端に真剣な表情と成り、声の主を見つめる。
彼が注目していた人物の一人が、たった今自己紹介を始めたのだ。
「得意武器は剣、ギルドランクは『C』……宜しく」
喋り方から感じる彼の雰囲気は、冷静沈着。
長い黒髪が覆う顔の表情は、その力強く鋭い目と相まって見つめられるだけで全てを見抜かれそうな程である。
高い鼻と大きめな口元、スッキリとした輪郭に190は有るだろう長身。
崩れたワイシャツの胸元から覗く肉体は、極限まで鍛え抜かれた筋肉で覆われている。
決して太すぎる訳では無いが、単純に逞しい体つきを持っている。
とても男前で有り高身長、低い声にその体型……正に男として手に入れるべき物を全て手に入れた様な……そんな雰囲気が彼から溢れ出ていた。
ケヴィン自身決して低い身長では無いが、我が儘を言えばあれ程の体型を自分が保持していればと思う程に、彼の肉体は理想であった。
現にクラスに居る女性生徒は、何人かが彼に見蕩れているのだ。
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