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 被った藁の中から身を起こし、アルは目覚めた。

 木板を落として被せているだけの窓は既に開いており、ほんのりと周囲が白み始めている。

 少し寝坊した。

 思いつつ身を捩じって部屋の外へ意識を向けると、ちょうど人影が通りがかった。


「兄ぃ、さぁ……ん」


 ややも寝ぼけた声に反応し、小柄な少年が入ってくる。

 アルよりは薄めの赤い髪。目尻は柔らかく、手には鞘に納められた短剣。

 歳は十四と、少し離れている。


「おはよう、アル」

「うつしてー」

「はいはい」


 短剣をアルの寝台へ置き、腕を広げる彼女を正面から抱きかかえ、すぐ隣に置いてある車椅子へ移す。

 どちらも慣れたもので、車輪の固定はそのままにまずは身体や髪に張り付いた藁を取り除いていった。


「採集?」

「うん? あぁ、そろそろ採れるかなって思ってね。様子見だけど」


 本来は腰に下げる為の帯革を肩に掛け、短剣の位置を調整する兄をぼんやり眺めていると、彼は笑み崩れて頭を撫でてくる。


「顔洗ってきな。水瓶にはまだ幾らか残ってるし」

「え、いいのー?」


 水源はザンの小屋がある丘の向こうだ。

 他所に比べれば遠くもないが、瓶を一杯にするのは大変で、無駄遣いすれば叱られる。


「いいのって、だって今日はアル、お前が当番だろ」

「あ」


 今日は砦へ行く予定が無い。

 元々やっているのは読み聞かせだから、頻繁に通ったりはしていなかった。

 先日はレイナが頼んで来たから特別だ。


「寝惚けて桶を落っことしでもしたら大変だろ? ちゃんと目を覚ましてから出るんだぞ」


 採集に出掛ける兄は少しだけ楽し気で、先に部屋を出た彼に、母が声を掛けて送り出していた。


    ※   ※   ※


 実に五回は往復した。

 丘向こうとはいえ、回り込む位置なので車椅子でもどうにか水源へ辿り着ける。

 縄を付けて貰った桶を細い川へと放り込み、溜まったら引き寄せて棒にぶら下げる。

 以前は膝の上に棒を通していたアルだが、しばらく前に背もたれと背中で挟んでやれば固定できると気付いてから、一度に汲む数を二つから四つに増やした。

 膝の上にあると車輪を押すのに邪魔で、四苦八苦している内に桶から水を溢してしまっていたのだ。

 けれど今は多少の安定感も得られて、上手くやれば六つは行けるのではないかと考えてもいる。

 ただ困ったことに家の桶は二つしかなく、追加の二つはラウロの家からの借り物だ。


 教練場で暴れまわっていた小僧はすっかり大物気取りで寝坊中。

 大きい方はすでに砦暮らしをしている為、面倒なことを言ってくる者は居ない。

 働き者ねぇ、と彼の母親は感心して桶を貸してくれた。


 アルの届けた水を、瓶へと放り込んでいく母親を待ちつつ、ふと縁に括りつけられた小瓶を見る。

 毒だ。

 東の異民族が攻め込んで来た際、可能であれば水に毒を投じ、持ち出せない食料などもまとめて水瓶へ放り込んでしまう。


 水源が近くにある為効果は薄いが、連中の侵攻速度を少しでも遅らせようという、レイナの祖父が考案した苦肉の策だ。


「ねー母さん」

「ん、ちょっと待ってね…………なんだい?」


 水瓶に蓋をした母が振り返る。

 髪の色はアルに近く、目元は鋭い。


「異民族って、もうじき来るのかな?」

「最近多いんだってね。前の時も、連中は何度も偵察してきたから、もしかしたら来るのかもしれない」


 気休めを口にするような者は村には居ない。

 壁の外で暮らす彼らにとって、不意の襲撃は自分や家族の死を意味する。

 各所に設置した見張り台が報を発すれば、可能な限り迅速に砦へ避難する。出来なければ七年前の再現だ。


「ただ今年は温かかったからね、来るなら冬越しの後かもしれないよ」

「そうなの? あぁ、食べ物一杯あるから」

「そう。食うに困ってやってくるなら、砦までは攻めていかない。この辺りの家を襲って、それだけさ。だけど冬を越えた後で来るなら、どうなると思う?」


 食料は豊富だった。

 冬越しに不安が無いのであれば、もし侵攻を考えているのであれば、冬の間は準備に費やされる。


「沢山準備して、大規模に攻めてくる」

「そうだね。だから今、冬越しで砦に籠もる期間を伸ばそうかって話してるみたいだよ」


 騎士が増えた。

 それだって異例の出来事だ。


 彼ら内地の騎士は敵がやってきて、それを伝えて初めて出てくる。


 ゼルヴィアが引き連れている従士も数が多かった。冬越しを考えれば人数は少ないほどいい。負担を増やしてでも戦力を整えておくべきだと、レイナの祖父は考えているのかも知れない。


「こいつの使い方は、分かってるね」


 水瓶に括り付けられた小瓶を母が指で撫でる。


「うん。水を駄目にして、食料も一緒に入れる」

「だけじゃないってのも、教えたろ」

「うん……」


 やってくる異民族が奪っていくのは金目のものや食料だけではない。

 働き手となる男、そして。


「使って欲しい訳じゃない。だけど、捕まった女の末路は悲惨だって言われてる。こんなの親の言う事じゃないけどね」


 重いため息に混ぜて語られた言葉にアルはただ顎を引いた。


「あの子も、生きていればもう結婚してる頃合いか……」


 理想も、正しく在ることも、贅沢品だ。

 食料と、金と、安全と、それらが高い水準で保たれていない場所では到底手に入れることが出来ない。


 親が娘に死ねと言うことを、間違っていると言い切れない程度には、ここは貧しく、危険な土地だった。


    ※   ※   ※


 昼が過ぎる頃にはザンが顔を出した。

 採集へ行っていた兄が戻り、食事を用意していた所だったので、母が是非にと誘い、彼も快く了承した。


「ほう、今日は随分と豪勢だなあ」


 ゼルヴィアの前では怒り狂い、ジーンの前では身を強張らせていたザンも、一家の前では肩の力を抜き、上機嫌に語らう。

 彼の過去について分からない事も多かったが、アルは味方をすると決めていた。


「少し前に雨が降ったから、そのせいだと思う。結構生えてたよ」


 茸や山菜を軽く茹でて、母特製のソースを絡めたものが大皿に乗っている。

 森で取れる植物の種を絞った植物油に、同じく森で取れるハーブとスパイスを絡めてやれば、ピリリと辛い最高の主菜が完成する。

 十日も前に焼いたパンは固すぎて食べられないから、アルの汲んできた水でふやかして齧る。七年前ならば乳の取れる家畜も居たのだが、それは持ち去られてしまっていた。流石に女手一つでは購入するほどの金も稼げない。パンも小麦のような高級品では無く、ライ麦に蕎麦を混ぜ込んだ、独特な臭いのある粗悪品だ。

 もし砦のパン窯や石臼を使わせて貰えなければ煮るしかないのだが、蕎麦飯などは固くて食えたものではない。


「テルの実はまだだったけどね」

「おう、もうそんな時期か」

「ザン爺ちゃんももっと丘から降りてこないと。雪が降らなきゃ季節を忘れちゃうんじゃない?」

「ははは、高炉の前はいつも熱いからなあ」


 彼の顔は長年鉄に熱せられてきたからか、固い皴が幾つも刻まれていて、それがくしゃりと笑む様がアルは好きだった。


「ねえ爺ちゃん」


 雑に練り固めた土を焼いただけの、使い捨てのようなコップを机に置いて、アルは一足先に食事を終えた。


「もういいの?」

「いいよー」


 もっと食べろと母が要求してくるも、豪勢と言われただけあって量は中々なもの。

 しかし運動を前に食べ過ぎるとお腹が痛くなるので、今回ばかりは自制した。


「どうした、アル」

 木彫りの短剣で突き刺した山菜を揺らしつつ、ザンが聞き返してくる。

「今日ってお仕事ある?」

「いや、昨日の分で一先ずは終わりだ。鍋も包丁も、自分で取りに来ると言ってるからな。ここで預かっておいて貰えればそれでいい」


「ねえ母さん」

「そうね。水瓶も一杯にしてくれたし、この後は好きにしてていいよ。帰りに薪くらいは拾ってきて欲しいけど」

「はぁーい」


 アルはザンに目配せをし、彼もまた分かったよと頷きを返す。

 そこへ母の言葉が突き刺さった。


「坂降りはやらないように」


「はぁーい」

「あぁ、おう」


 生返事に睨みを利かせるも、二人は悪戯の見付かった子どもみたいに顔を逸らして逃げ出した。


「あっ!?」

 のだが、重要な事実を思い出したアルがつい溢す。

「アイツに革手袋取られてたんだった!!」

「おう……そういえばそうだったな」


 分厚い革手袋が無ければ流石にあの機動は不可能だ。

 猛烈に擦れて駄目になる為、仕事で使用中のものまでは使わせることが出来ない。


「ザンさん」

「おう……おほん。まあ、やんちゃなのは元気の証というかだな」

「ザンさん」

「わ、わかっとるわかっとる。冬の間にでも柵造りに取り掛かるか」

「そういう意味じゃないんだけどねぇ……」

「丈夫に作るから、な?」


 どこまでもアルに甘い、既に一家と呼んで差し支えのない老爺に対し、素知らぬ顔で食事を終えた兄がしれっと言い放つ。


「そろそろ僕の手も、ザン爺ちゃんの頭に届きそうだよね」

「んん……っ。ロイ、そういう所は父親に似てきたなあ」

「孫みたいな歳の子に叱られたくなかったら、アルの無茶に乗せられない様にして欲しいねえ」

「ジナさん。儂は昔から躾けには厳しいと言われておってだな」

「孫が出来ると駄目になる男って多いのよねえ」


「どこ行くのアル。話は終わってないよ」


 形勢不利を悟ったアルが逃げ出そうとするも、兄のロイにほっぺたを摘ままれ捕獲されてしまった。

 膨らませて外そうとしたら、つつかれて息が抜けた。


    ※   ※   ※


 問題児二人が悪さを企んでいる為、ロイに同伴して森周辺の柵を確認して回ることとなったのだが、早々に欠損箇所が見付かった。

 柵は土を盛り上げて固めただけの簡素なものだ。

 木材を無暗に消費できない土地柄、使えるものはなんでも使う。

 土とはいえ、子どもの身長程にも盛り上げれば獣の侵入を阻むくらいはできる。


 なので本来なら、そこらの土を被せて修繕すれば済む話なのだが、アルが報告すべきと提案し、ロイが使いに走った。


 それから殆ど間を置かず、彼は返ってきたのだが。


「柵に欠損があるって聞いたんだけど、力になれるかな?」


 ロイを連れて現れたのは騎士ゼルヴィアだった。

「…………帰れ」

 砦に居る筈の彼がどうして、と思ったのだが、不愛想なザンを見れば概ね察することも出来た。


 可哀そうなのは、事情も知らず、内地の従士達に囲まれて委縮しているロイだろう。


「そういえば先生は、土のような柔らかい物質を扱うのは苦手でしたね。僕がやりますよ」

「ふんっ」


「爺ちゃん……」

「わかっとる。直すだけ直したら帰れ。また崩れたら承知せんぞ」

「爺ちゃん」


 最初にロイが、次にアルがとりなそうとするも、老爺は冷めた鉄のように頑なだ。


「見張り台には僕が使いを出しておいたよ。それで、欠損というのは?」

「あ、えと」

「こっち!」


 貴族相手に戸惑う兄を見て、気遣ったかどうかは不明だがアルが率先して車椅子を滑らせた。

 駆け寄っていく騎士の後に従士がぞろぞろと続き、崩れた土壁を覗き込む。


「反対側をネズミが掘ったんだよ。近くだけで五つもあるよ」


 モノが土だけに、時間を掛けて掘ればいずれは穴が開く。


「それだけのことで……」


 従士の一人が呆れたように言うが、ゼルヴィアは思案気に穴を見詰めていた。


「アル、君の意見を聞いても?」

「はいっ」


 車椅子の少女は、集まる見知らぬ男達の視線に晒されながらも綺麗に背筋を伸ばし、真っ直ぐに騎士を見上げた。


「まず、この壁の森側には獣の嫌がる臭いのする薬草を撒いてます。だから普通は近寄らないの。なのに来たってことは、森の中の食料がかなり厳しくなっているか、縄張り争いがあったかだと思うんだけど」


 壁の周囲が荒らされ、一部に穴が空いているが、結局動物の姿は見当たらない。


「今朝、兄さんが森へ入った時は山菜とかが結構採れたんだよね。だから、食料不足って感じじゃない」

「だったら、縄張り争いってことかな? 数が増えると人里に降りてくる話は内地でも聞くけど」

「でもこのネズミね、高原の生き物なの」


 ネズミ、とアルは称しているが、土壁に残っているのは鋭い爪痕だ。

 穀倉などへ入り込んでくる、拳程度の大きさのネズミとはまるで異なる。


「高原から逃げてきた……?」


「かもしれないって。それに壁を崩されたけど、畑が荒らされたって話は無いの。このネズミってね、土を掘って家にするんだ。だから、家を作ろうとしていて向こう側が無かったから、諦めて別の所へ行ったんだと思う」

「詳しいね」

「勉強しましたっ」

 誇る少女をゼルヴィアが微笑まし気に眺め、その裏でザンが鼻を鳴らす。

「その子は賢い。お前なんぞが言い包められるとは思わんことだ」

「爺ちゃん……っ」


 関係性をまるで知らないロイが青褪めて止めようとする。

 騎士とは、貴族だ。

 砦へ通って当たり前にレイナの祖父とも会っているアルは当然といった顔をしているが、本来平民が気安く口を聞いて良い相手ではない。

 初対面ではないらしいことは察していても、口さがない二人が揃って平伏するでもなく普段通りに振舞うものだから、彼としては気が気ではなかっただろう。


「高原の生き物は高原で生きる。間に広い岩場もあるから、こうして降りてくることは滅多にないの。それがこんな、高原とは反対にある森のこっち側にまで入り込んでるってことは、もしかしたら追い立てる奴が居るのかなって思ったんです」


「……それが、東の異民族だと言いたいのかい?」

「高原の肉食動物ということも考えられるだろう」


 口を挟んだのは、先ほども苦言を呈した従士だ。

 否定的な意見だが、当初より表情が引き締まっている。


「高原の生き物は高原で生きる、だよ。獲物を追いかけて一時的に降りてくることはあっても、森の奥まで入り込むと今度は自分の身が危険になるもん」


 未知の植物、森での方向感覚の喪失、水源地が分からない、など獣にとっても環境の変化は恐ろしいものがある。

 肉食動物は草食動物に比べて、狩りの危険が付きまとう。

 高原と低地の森となれば植生どころか、生息している動物も違ってくる。

 見た事も無い生物に怯えるのは、死と隣り合わせに生きる者なら当然の反応だ。


「君の結論を聞こう」


「異民族がこの森に潜伏してる可能性がある」


 咄嗟に何人かの従士が鋭く森を睨み付けた。

 彼らの頭にあったのは、精々が最近報告されている、高原へ続く岩場の向こうに居るだろうという話だ。


「誰だって見た事も無い生き物は食べたくないよ。だから、高原で生きる異民族も、高原の獣を見ればそっちを食べたくなるよね? このネズミがこんな所まで逃げてきたのは、そういう理由もあるのかなって思って、報告してもらったの」


「先生」

 ゼルヴィアの呼び掛けに返事は無かったが、老爺は悪態も付かず彼の従士を見た。

「いえ……そうだな。皆、具体的な対策を挙げてくれ」


「柵を強化すべきでしょう。連中は騎馬を有する。不意に入り込まれると全ての動きが後手後手になります」

「森に潜伏しているのなら、馬は連れていないのでは?」

「そもそも憶測に憶測を重ねているだけだ。手っ取り早く森を調べればいい」

「我々は森に慣れていない。最悪遭難するぞ」

「だから、地元の者に案内させて」

「一度砦へ戻って対策を練るべきでしょう。どの道少人数では見落としも多い」


 活発に交わされる意見を前に、アルは車椅子を押して崩れた柵を、その向こうの森を覗き込んだ。

 頭の片隅で会話は聞いている。

 彼女の結論はここまでだったが、具体的な対策をとゼルヴィアが発言したことで、思考はもう少しだけ前へ進んでいた。


「これ、普通に直すんじゃ駄目かな?」


 こぼれた言葉を、しっかりとゼルヴィアが拾い上げた。


「それはどうして?」


 彼の問いに、従士達の注目も集まる。

 普通ならば物怖じする所だが、少女の物言いは相変わらずだった。


「朝、兄さんは襲われてないから、襲わない理由があったのかなって思って」

 偶然見過ごされたということも考えられる。

 けれど、寒くなって実りが減った今、あれだけの山菜を得ようと思えばそれなりに奥地へ入り込まなければいけない。

 嫌な想像をさせられたと兄のロイが顔を顰めているのにも構わず、彼女は食事の時間を告げるみたいに言ってのけた。

「襲わなかったのは、ここに居ると知られたくなかったから。何をしたいのかは分からないけど、隠れて森に潜んでるなら、人目に付かない夜を待てば動き出すんじゃないかな? その時に柵を凄いのに変えていたら、気付かれたって思って動かなくなるから、元のままに戻すのがいいと思う」


 アルが言っているのは、多少この手の物事に通じた者であれば誰でも思いつきそうなことだ。

 従士達に先んじているのは土地への慣れがあることと、彼女が堅実さよりも突飛な方向へ思考を向けたがるから。


 けれど、僅か十歳そこらの、そして不具を抱える少女がここまで語ってみせるのは、少なくとも内地の従士達にとって異様なこととも言えた。

 まして教育も劣悪な外地の者が、と。


 この辺りはレイナのおこぼれに預かってきた恩恵とも言えるので、やや的外れではあったが。


「何日か様子を見よう。それで動きが無ければ、砦の者も動員して森を捜索する。これでどうかな?」


 全面的にアルの言を信任し、採用するゼルヴィアの発言に、彼らは総じて沈黙を貫き、数名が頷きを返した。


    ※   ※   ※


 ところが三日後に行われた捜索では痕跡らしい痕跡も見付けられず、どこから漏れたというべきか、発案者の名前が砦で知られるや、またしてもアルは槍玉へ挙げられることとなった。


『お前余計なことすんなよな』


 とは近所に住む幼馴染でもあり、砦ではすっかり従士見習いらに腕っぷしを認められることにもなったラウロの言だ。

 そこでまた一悶着あったのだが、結果的に彼らは騒ぎの罰則として高原付近で石拾いを命じられることとなった。






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