brock en
切り立った尾根
右手に連なる岩場を1つ
ひょいと乗り越えれば
見下ろした先は真っ白な海
左手を見れば砂と違和が交じる斜面
霧立った尾根
左手からは吹き上げる風
その向こう側に広がるわたあめ
空から降り注ぐ光が虹色
右手を見れば空にはお日様
こんなにも青空は青いのに
すぐ目の前に雲がある不思議
太陽を背にして雲を見下ろす
わたあめを食べるように
飛び込む人影
辺りの霧が含む雨粒が
そこかしこに虹の飴を
振り蒔いている
人影を見つめると
わたあめが余程美味しかったか
天にも昇るようだと言うように
背中に光の輪っかを背負ってた
先に天に昇ろうとする影に
まだ「いただき」には早いんだからと
しっかり足に縫い付けて
また尾根伝いに登り始めた
自分と影で
疲れを半分こに出来たなら
もっとたくさん動けるのに
そう思ったけど、
きっと影も同じだけ疲れてるから
結局疲れを分けようとしても
分けられないってことに気付いた