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最後の治療  作者: 朽木 花織
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「では、私達に採用しうる全ての対処について議論しましたか」

「いいえ、まだです」

と彼の英雄が仰りました。私は、

「他にどのような策がありますか?」

と、尋ねました。

表層(外側)で私を抱いて下さい」

と彼の英雄は仰いました。

「・・・・・・・・・・・・はい?」

と私は耳を疑い思わず聞き返す。

表層(外側)で私を抱いて下さい、と申し上げました」

「何を言っているのですか?正気ですか?」

と、私は聞き返す。

「至って正常な論理的思考の結果です」

「これから聖処女相手にやり合うという時に、冗句は止めて下さい。抱いて欲しいのなら、聖処女を統合した後にしましょう。それからでも遅くはありません」

と、言い返すが、彼の英雄は、

「いいえ。貴女はこの戦闘中に、貴女自身の生命保護及び私の勝利確率を高めるため目的で、私を抱くべきです」

と主張しました。

「・・・・・・益々どういう理屈でそのようなことを言い出しているのか分かりません。少し混乱もしてきました」

「聖処女人格は、自身が恋愛に関係することを許せないし、生理的に嫌悪しています。だから貴女にセクハラされると冷静さを欠くし、触られると狼狽する。そして、それらの行為が最終的に抱かれるのではないかという恐怖に起因している。聖処女の身体的起源は私の女性器そのものですからそこに損傷を受ける可能性を忌避する。であるなら、貴女が私を抱く事により、聖処女の戦闘力を削ぐ可能性があります。少なくとも戦闘に集中できない要因を作ることに為ります」

と、彼の英雄が主張しました。私は表層(外側)で彼女に悪戯することが戦闘に与える影響を試算する。そして、表層(外側)の彼女の様子を推察する限り、彼の英雄に利する点の方が多いと結論する————


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