第2話「50年後に君に会う」
どうも五月水面です。
今回は時がかなり過ぎて
からのお話です。
詳しくは本編をご覧ください。
それではどうぞ。
...あれから長い時が流れた。
もう、三春小夜が殺されて
50年の時が流れた。
俺の一生は全て時間跳躍の
場所を見つけるために使った。
日本全国を飛び回り、様々な場所を
見て回ったが、全て無駄足だった。
周りにはイカれた人間として見なされ、
俺に関わるやつはもう誰もいなかった。
それに俺は浮浪者に等しい身分だしな。
さらに俺の身体もそろそろ限界を迎えていた。
今、俺は彼女のマンションが建っていた
跡地の公園で座っていた。
俺は、虚無感を覚えていた。もう
彼女を救うことも出来ない絶望と
彼女を殺した人間になにも償わせ
られなかった己自身への怒りが。
でもそういえば、彼女のマンションの
跡地、なんか見たことがあるんだよな。
俺のスマホは毎回きちんと変えていた。
あのオカルト板はまだ存在してて
その当時のスレッドは
スクショで全て保存してるからだ。
もしもなにか新情報が出てくれば、
いつでも通知をするようにしている。
ん?そういえば、時間跳躍の場所の
画像、よく思い出せないな...。
俺も年かなぁ...。もう一度スクショで
確認してみるか...。おいおい!嘘だろ!
まんま小夜のマンションの跡地じゃないか!
なんで今まで気づかなかった!?
とにかく、マンションの跡地に近づくと
声が聞こえてきた。...この、声は__。
「力也くん、そんなになるまで私が好きだった?」
その聞いた瞬間、全身に衝撃がはしるほどに
その声は、昔と変わらない明るく優しい声色だった。
俺は、意識する間もなく涙が溢れ。
目の前がよく見えない。
「さ、小夜ぉ...!?お前は
ずっーーとここにいたのか!?」
「うん、いたよ。あの日誰かに薬を飲まされて
死んでからずっとね。」
「ごべんなぁ...!!小夜、誰が犯人かもわがらず
ただ50年だけまたせぢまっで...!」
俺の顔はぐしゃぐしゃで所々、濁点が
入って本来なら小夜に見せる様な顔じゃないのに。
でも50年はそれほどに俺を苦しめ
弱くしたのだ。残酷なほどに。
「でも、もう力也くんはこんな日々を
過ごさなくても良いようになるんだ」
小夜はあの頃と変わらない笑顔で
小夜はなにかを悟ったような事を言う。
「お、俺はもう疲れたよ...。もう
お前を一目みれればそれで...」
「力也くん。普通の人はね、
50年経てば人の事なんて忘れるの」
「私の事を覚えてる人は
この世で力也くんだけなんだよ?」
その瞬間、小夜のとても寂しそうな顔が
俺の脳裏に刻まれた。あんな顔俺は知らない。
「だから、この50年をなかった事にしようよ。
こんな悲しい結末で私、終わるの嫌だな」
「で、でも小夜。時間は元に戻らない。
どれだけ望んでも、時は戻らないんだよ」
「力也くんは本当はそんなこと思ってない。
だって50年も時を戻すために頑張ってたでしょ?」
な、なんでその事を知ってるんだ?小夜?
「その間の抜けた顔は何でって顔だね?
私ずっと力也君がここに来るときの顔を見てたの」
そ、そうだったのか...!...じゃあ俺の
いつも情けない姿を知られてるわけか。
「そのうつむいた顔はまた自虐してるよね?
私が情けないとか、そうおもってるんでしょ?」
...えっ、てことは違うのか?
「まさか50年を私のためだけに
使うような人の事を情けないとか思えないよ」
「どこまでもお前ってやつは...!!
ため息が出るほどに善人だよ」
優しすぎるこいつの笑顔に
少し昔の俺らしさが出てきてしまう。
「力也君の久しぶりのその口調。
もっと聞いてたいけど今はその時じゃないよね...」
寂しそうな顔をして、一度一呼吸をする。
まさか、小夜。
「小夜、もしかしてこの跡地は本当に
時間を跳躍できるのか?お前は知ってたのか?」
俺の問いかけに、少し困ったような
顔をしてうなずく。
「...うん。20年前ここに全身黒ずくめの
声が変な人が来て一方的に言ったの」
「お前に、後20年後に奇跡が訪れる。
その時お前を信じる男にお前が見えるようになる」
「そして、お前が見えるようになる時
この場所でとある言葉を言えば時間跳躍が出来る」
「それは...........だ。」
「ただし、そこからが本当の地獄だ。
男は何度も跳躍しては死に続ける」
「そんなことをさせるお前も、それに
挑む男もおかしいやつだ。」
「でもお前を信じる男は必ず全てを
解き明かそうとする。どれだけかけても」
「ああ、それとこの事は20年後に言いなよ。
もしかしたらその場所に時間跳躍出来なくなるから」
「まぁ、頑張るように言いな。
オカルト板の住人よりってね」
「って言ったその人はそのまま
どこかに行っちゃった。力也君は知ってる?」
彼女は50年前と変わらないきょとんとした顔で聞く。
お前のその顔はずるいんだよ。
「知ってる...。あいつは50年前に
ネットで小夜に関して検索したときに」
「この時間跳躍の土地について教えたやつだ。
あいつはまだ生きてたのか...」
俺はもう一人の意外な人物の
生存に驚いてた。
「でも20年前だからもう今はいないかも知れないよ?
だって20年後がどうなってるかはわからないし...」
そうだな。だって、俺らの同級生は
ほぼみんな死んでるしな。病気で。
「そうだな...とにかく時間跳躍の
言葉を教えてくれ。さっき言葉を言わなかっただろ」
それに対して小夜が何故か神妙な顔で
俺に顔を背けて、こう呟いた。
「嫌だよ...やっぱり嫌だよ」
どうしたんだ、小夜!?
お前いきなりそんなことを言うなんて__。
閲覧ありがとうございました。
さて、今回の作品はいかがでしょうか?
次回もまた書いていきたいと思います。
またまた来週以降に投稿させていただきます。
ぜひ、感想の方をいただけると嬉しいです。