表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/35

学食の隣の席

「⋯あっ!」


「?」


 朝の支度を終え、あと10分で出発というときに、私はあることを思い出した。



(お弁当⋯!)



「あのさぁ⋯今日お弁当ないんだけど⋯いい?」


 とりあえずダメ元で交渉する。


「別にいいよ」


 思いの外あっさりと受け入れられたことに驚いていると、海翔は「学食あるし」と言った。

そっか、その手があったかー!⋯って。



(どうしよう一緒に行ける友達いないんだけど)



「あ、ごめん凛は一緒に食べる人いないか⋯」


 思ってもないくせにあわれみの表情しているところが余計に腹立つ!


 本当、頭はいいくせに何で人の気持ち分かんないんだろ。いや、むしろ分かっててわざとやってるとか?


⋯いや、まぁそれは置いといて、ご飯どうしようか考えないと。


 今からお弁当作れるもんなら作りたいけど、残念ながらご飯は冷凍しかない。


 さすがにもうそんな余裕はないし、白米だけ入ったお弁当を持ってくのも⋯かっこ悪い。


 この期に及んで恥とか言ってる場合ではないのだろうけれど、私は人一倍人の目を気にする人なんだから、しょうがない。どうせ私の弁当なんか誰も興味ないんだけどさ。



 うーん⋯こうなったら、仕方ない!



          *



(うわぁ間違えたーーーーー)



 学食の校舎に行くと、既に人で溢れていた。



(人が少ない時間を狙って早めにきたのに!)



 後で海翔に聞いたところによると、「人気メニューが売り切れないようにみんな早く来てる」らしい。もっと早く知りたかった⋯


 何で私が人に会いたくないかと言うと⋯まあ、私に友だちがいないことから察してほしい。


 気まずいけど、ここで引き下がるのもアレなので、仕方なく学食を食べることにする。運良く隅の席が空いていたので、そこに腰を下ろす。



(早く食べ終わらなきゃ⋯)



 カレーを早食いし始めたとき、隣に人が座る気配がした。何となくそちらを向くと。



(!)



 松谷くんだった。



 向こうも私に気づいたようで、一瞬目が合う。でもすぐに、松谷くんは気まずそうに目をそらした。



(自分のせいなのに⋯こういうの見るとやっぱり何かヘコむな⋯)



(私のこと嫌いになっちゃったかな)



 でも松谷くんはクラスの人気者で、私はただのぼっちで。仲良くなんかなれるわけない、なっちゃいけないんだもん。だから、距離置いて正解なんだよ。そう、正解。



⋯なのに。



どうしてこんなにモヤモヤするんだろう。


ブックマークしてくださった方、本当に本当にありがとうございます!


これからもよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ