テスト
(テストだー⋯)
嫌なのには変わりないけど、今回は結構頑張ったからいける気がする。心の持ちようも前とはちょっと違う。
「はぁ⋯ついにこの日がきてしまいました⋯」
「ちょっとすず、さっきからため息つきすぎ。
私まで幸せ逃がしちゃう」
相変わらずな2人の息ぴったりな会話につい口元がほころぶ。2人の学力がどれくらいなのかは検討もつかないから何とも言えないけど、勉強会の結果が生かされてるといいなぁと思う。
勉強会というワードで危うく変なことまで思い出しそうになって、あわてて頭から追い出す。危ない危ない、ひとりでにやけてる人なんて、周りに思われたら終わる。
「ね、凛ちゃん世界史最終チェックしよう!!」
「あ、そうだね!じゃあ──────」
*
「テスト終わった⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
無事に(?)4日間終わり、私たち3人はスタバで「お疲れさま会」と言う名のすずちゃんの愚痴会を開いている。
「終わったって言うのは⋯えっと⋯テストが?結果が?」
「どっちもだよ⋯察してよ⋯」
「すいませんでした」
「2人はできたの───⋯⋯?」
すずちゃんがちらっと私たちを上目遣いで見上げる。⋯え、何それかわいい。
私は割と標準身長だと思うけど、その私から見て「ちょっと小さい」と思うのだから、すずちゃんはたぶん平均より少し小さい方だと思う。
絵梨香ちゃんは第一印象が「小柄で大人しそうな子」であるように華奢な印象で、たぶん150センチとかそれくらいだろう。
「割とできた⋯かな?」
「んー別に普通。あ、でも化学は思ったよりできたかも。勉強会したしね」
「!!」
すずちゃんが身体に電気が走ったみたいな激しい勢いで起き上がってこっちを見た。
え?えっ??何!?
「凛ちゃん先生⋯教えてくれたのにすみません⋯私数学ヤバいです⋯ぜったい赤点です⋯」
あ、そういうこと?
「大丈夫だって、結果まだなんだし落ち込むことないよ!平均もきっと低いよ!」
「自己採したりした?」
「うん」
「「⋯何点だった⋯?」」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯36点」
「「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯。」」