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王様ゲーム2

久しぶりです!王様ゲームの会はもう1回ありますが、個人的に1番好きです!

 どうしようどうしよう。

好きなところとか言いたくないんだけど⋯てかその前に好きなとこなんてあったっけ?



(⋯仕方ない、これでいこう)



 私は腹をくくって海翔の隣に座った。


「海翔、耳」


「⋯⋯はぁ⋯⋯マジでやんのこれ」


「仕方ないじゃん、早く終わらせちゃおうよ」


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯じゃ、勝手にどうぞ」


 早口で「勉強熱心なところ」とつぶやく。もちろん、嫌味を込めて。


「凛ちゃん聞こえてるよ?」


「え」


 いや、まぁ聞かれてまずいことなんて何もないけどね?


「へぇ、凛、海翔のそういうとこが好きなんだー?」


「いや違うし!だって命令⋯」


「違うの?違うのかー、ならやり直」


「いえ違くないです」


 やり直しだなんて、たまったもんじゃない。ひとしきりみんなに笑われた後、ちらっと視線を動かした。


「───って松谷くんもう引いてるじゃん!」


「いつ引いても変わんねーよ」


「いやそういう問題じゃないんだけど⋯」




「王様は誰ですか〜?」


「はいはーい、俺」


 松谷くんがぱっと手を上げる。


「え、ちょ、ズルとかしてないよね!?」


「しねーよそんなこと、負け惜しみかよ」


⋯!


 松谷くんが意地悪な言葉とは裏腹に爽やかな笑顔をしたから思わずドキッとして、目が離せなかった。



(何それ、そんな顔反則でしょ⋯)



「命令何にする?」


「じゃ、3番が好きな人暴露。言えなかったらお菓子1000円分奢り」


 ちらっとメモに目を落とす。



──────よかった、5番だ。



「あ、3番私だ⋯えーっ言おうかなぁどうしよっかな〜」


 どうやら藤井さんが3番らしい。

⋯⋯⋯⋯え、暴露するの?!ここで!?


 お願い今はしないで、と私の奥にある何かがささやいた。


 松谷くんに告白して、もしもそれで上手くいったらどうしよう、と思った。


 仮に上手くいかなかったとしても、松谷くんがどんな反応をするのか、今は見たくない。



「んー⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯やっぱやめとこっかな」



 よかった、と思わず安堵した。



──────よかった⋯?何が⋯?



 自分の心に芽生えていた、敵対心のような、嫉妬のような感情に違和感を覚えた。


 こんな風に牽制じみたことを考えるなんて、私、どうしたんだろう。



(私ってこんなに心狭かったっけ⋯)

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